あなたのWebサイトでサポートすべき言語数はいくつ?
(この記事は、2021年1月12日に公開された記事「How many languages should your website support?」の日本語訳です。)
私は今、2021年版Webグローバリゼーション・レポートカードのための調査に励んでいます。サポート言語の拡大という点でいうと、昨年は素晴らしい年ではありませんでしたが、しかしそれを推し進めた企業は驚くほど多くあります。
昨年を振り返って、私がよく受ける質問、つまりいくつの言語をサポートすべきかに答えておくのは、理にかなっていると思いました。
ちょっとした歴史
20年前、10言語をサポートしていたWebサイトはごく少数でした。実際、5〜6言語をサポートすればそのサイトは「グローバル」だと考えるのが一般的でした。当時のインターネットユーザーの圧倒的多数がネイティブで英語を話す人だったことを踏まえれば、これはよく理解できます。
しかし、今は異なります。
以下の円グラフは、2020年の半ばの時点において、45億人のインターネットユーザーの内訳をあらわすものです。ネイティブで英語を話す人は、全体の2割にも達していません。
インターネットユーザーの大半にアクセスするには、かなりの数の言語をカバーする必要があります。同時に、「他のすべての言語(All other languages)」が大きな割合を占めている点に注意してください。
では、あなたのWebサイトがグローバルで競争力を持つのに必要な言語数はいくつでしょう?これに答える前に、世界の大手ブランドがいくつの(どの)言語をサポートしているか理解しておくことは重要です。
言語サポートのリーダー達に学ぶ
2003年以来、私は15以上の業界にわたり100以上のWebサイトで言語サポートを調査してきました。調査対象が主要なグローバルブランドであることを担保するため、Interbrandの選ぶベストグローバルブランド(リンク:https://www.interbrand.com)の約8割を含めています。以下に示すように、サポート言語数の平均は2004年の12言語から33言語にまで倍増しています。
グローバルWebサイトの平均サポート言語数は現在33言語
Google、Microsoft、Honda、Uber、IKEAなど、世界的なブランドの多くは33以上の言語をサポートしています。MicrosoftやCoca-ColaのようなWebサイトが40以上の言語をサポートしているからといって、あなたのWebサイトで同じことをする必要はありません。すべての企業は、独自の言語戦略を策定する必要があります。
言語戦略の策定において、一般的に勘案すべき要点は次のとおりです:
- 国や市場ごとの拡大目標:新たな市場に進出すべきか、するならいつかを判断すべく、多くの指標(GDPや人口統計、政治情勢、競合)が重要になります。そして進出を計画するとなれば、その市場で使われている言語をサポートする必要があります。
- (言語別の)インターネットユーザー:言語は国境によって制限されないため、企業はグローバル化に向け言語ベースのアプローチを取る場合があります。例えば、ラテンアメリカ向けにスペイン語をサポートすることで、ラテンアメリカの大部分からだけでなく、アメリカ国内からの新たなユーザーを多く生み出すことができます。スペイン語は、Webサイトのグローバリゼーションを始めたばかりの企業に対し、たびたび私がサポートの追加をお勧めする最初の言語です。
- 競合のサポートする言語:競合企業の言語戦略をまねるのは、言語サポートに優先的に取り組む簡単な方法ですが、その競合他社が見落としてきた市場機会に目をつぶる可能性もあります。また、「次の」サポート言語を決める予定がない場合、競合他社に追いついたままとなります。
インターネットユーザーの大半とコミュニケーションを取りたいのであれば、30以上の言語をサポートする計画を立てましょう。今年や再来年に完了させるのは無理かもしれませんが、真のグローバル企業になるためには何が必要か、現実的な目標を持つのは良いことです。
言語は手段の1つに過ぎません。グローバルに競争するだけでなく、グローバル市場をリードしたいと考えるなら、言語をサポートする必要があるのは明らかです。
それも、たくさんの言語を。