多言語(マルチスクリプト)フォントの黄金時代
(この記事は、2022年1月17日に公開された記事「This is the golden age for multilingual (multi-script) fonts」の日本語訳です。)
Webのグローバル化における黎明期には、「グローバルフォント」なるものは存在しませんでした。
その理由は、世界の主要言語に対応したフォントが存在しなかったからです。当時はキリル文字やアラビア文字など、それぞれの文字に個別のフォントを指定する必要がありました。
しかしUnicodeの台頭により、より拡張性が高く、よりグローバルに通用するフォントが登場しました。Googleは、無料で使える多言語/マルチスクリプトのフォントという素晴らしいサービスを提供しています。
Adobeも(有料で)約50言語をカバーするフォントを数多く提供しています:
しかし何より刺激的なのは、書体への専門的な取り組みが言語的な広がりを見せていることです。多言語フォントがバリアブルフォントをサポートすることで、より柔軟な実装が可能となっている点にも注目しています。
以下に示すのは、Typothequeの美しいNovemberフォントです:
このフォントファミリーについては以下のように記されています:
このNovemberは54種類のスタイルから構成され、2種類(uprightとItalic)のバリアブルフォントで利用できるようになったことで、きめ細かくタイポグラフィを調整できる余地が一層広がりました。Novemberでは既にラテン語、キリル文字、ギリシャ語、アラビア語、ヘブライ語、デーヴァナーガリー語、タミル語をサポートしています。
余談ですが、Aadarsh Rajanはタミル語フォントの再設計に関して非常に興味深い記事を書いています。
まだまだ多くの言語がより良いサポートを必要としていますが、Latin-1(ISO/IEC 8859-1)の時代からすると、非常に長い道のりを歩んできたのは確かです。