サポート言語を商品やサービスの機能と同列に扱うべき理由
(この記事は、2023年1月16日に公開された記事「Language is a feature. It's time more companies treated it as one」の日本語訳です。)
長年にわたり、(Webサイトのローカリゼーションの一環としての)サポート言語の追加は、どのWebサイトにおいても、最も労力が割かれにくい取り組みの1つでした。
サポート言語を追加したら、それを知らせただけでおしまいです。
そのような状況は、ローカリゼーションチームが製品開発のチームと同等の扱いを受けることがまれだったためだと、私は推測します。
Appleは、30カ国語以上にローカライズされたUIをサポートすることなく、英語でしか読めないWebサイトを通じ製品・サービスの6割以上を米国外で販売したり、iPhoneをグローバルに成功させることができたわけではありません。言語や文化への適応こそ、同社の成功において重要な役割を果たしてきたのです。Appleと同じく、ローカリゼーションチームが各地でブランドをアクセスしやすくしたことが一因となって、世界的なブランドを築き上げた企業をもう10社ほど挙げることができます。
しかし、AppleのWebサイトを訪れ、別の言語を利用しようと「グローバルゲートウェイ」のリンクを探すと、ページ最下部までスクロールしなければなりません。幸い、Appleはジオロケーションを利用し、ヘッダー上に言語選択のためのメッセージを表示させるようなことはしません。しかし私はやはり、グローバルゲートウェイがヘッダーに置かれることを望みます。
行動は言葉より雄弁です。Webサイトにおいては、どのような要素をページ上部に表示し、どの要素をページ下部に追いやったかに、行動は反映されています。
ローカリゼーションに対する考え方が、ここ数年で変わりつつあることをうれしく思います。数年前にさかのぼりますが、Airbnbがサポート言語を約2倍に増やし宣伝していたことを紹介しました。
そして、私の受信トレイには昨年、Shutterstockから以下のようなお知らせが届いていました:
時として言語のサポートは、あなたの直接の顧客よりむしろ、顧客にとっての顧客をサポートすることになります。
(Adobeに買収された)デザインアプリのFigmaがそうであったように。
Figmaは昨年、アラビア語やその他の右から左向きのスクリプトのサポートを含む新機能を発表しました:
言語は、成長の原動力となるキラー機能とは見なされないかもしれません。しかし、言語によってキラー機能がグローバルな機能となり、それが成長につながるのです。
言語については、2023年版のWebグローバリゼーション・レポートカードでより多くを語りたいと思っていますし、驚きの進展がみられたことを予告しておきます。