多言語対応は今がピーク?
(この記事は、2023年3月2日に公開された記事「Have we reached "peak" language?」の日本語訳です。)
「ピークオイル」にしろ「ピークTV」にしろ、成長が終わり衰退し始めるタイミングをあらわす言葉を耳にすることがあります。
Webサイトの多言語対応についても、同様にピークを迎えているようです。
Webグローバリゼーション・レポートカードの19回目の発行にして初めて、昨年は追加および削除されたサポート言語の総計がマイナスに転じたのです。
以下のグラフにあるように、主要なグローバルブランドがサポートする言語数の平均は、前年から減少し33言語となりました。
脱グローバリズムは、間違いなく要因の1つです。中国は多くのグローバルブランドにとって難しい市場であり、中国市場を完全に諦めた企業もあります。そしてこの1年半のあいだ、ロシアから完全撤退するグローバル企業が相次いでおり、同国での事業やWebサイトを閉鎖しています。
はっきり申し上げておきますと、私はWebグローバリゼーションが衰退しているとは思っていません。
今、私たちは、グローバリゼーションへの期待や戦略をリセットする時期を迎えていると考えます。長年レポートカードで説明してきたように、多くの企業で歴史的にWebのローカリゼーションへの取り組みは不十分でした。そして、企業が経済的な逆風にさらされるなか、ローカルサイトとその背景にある戦略や期待を経営者が見直すのは自然なことです。
Webサイトのグローバリゼーションは、終わりのない旅です。その旅路で、少しばかり回り道をしてきましたが、言語によるグローバルな成長の新たな波が押し寄せてきていることを確信しています。
詳しくは、2023年版Webグローバリゼーション・レポートカードをご覧ください。