「not applicable(該当なし)」のグローバルゲートウェイ
(この記事は、2023年3月9日に公開された記事「The "not applicable" global gateway」の日本語訳です。)
「NA」という文字列を、私は大抵「not applicable(該当なし)」の略語と解釈します。
最近訪れたCorpayのサイトでグローバルゲートウェイを二度見してしまったのは、そのためです:
当然ながら、私は地球儀のアイコンをクリックしました。ちなみにその図柄は、グローバルゲートウェイには完璧なアイコンです。
クリックして開いたメニューのスクリーンショットを、以下に示します:
「NA」とは「North America」、北アメリカの略語のことでしたか!
私は「NA」という文字列を使うことをおすすめしません。単に私が無知だからではなく、それが拡張性に乏しいためです。
以下に示す画面は、「CAN」というラベルが併記されているグローバルゲートウェイでメニューを開いたところです:
なるほど、これはフランス語を話すユーザーに向けたカナダのWebサイトと理解できますが、カナダで英語を話す人は「NA(米国とカナダを統合したラベル)」にアクセスしなければならないのですね。同じサイトに誘導することになるにせよ、カナダ向け(英語版)とアメリカ向けとは、別個のリンクとして扱ったほうが良いかもしれません。完璧とは言えませんが、そのほうがより訪問者に親切で、「NA」にまつわる問題を回避できるのではないでしょうか。
さて、オーストラリアではどうでしょう:
そして、こちらはドイツ:
このサイトでは、「NA」のような地域を意図する場合を除き、国名は3文字で表記しているようです。これは、標準的な解決策ではありません。
実際の土地に紐づけて類別するのに不都合があるなら、Ciscoのように、より標準的なロケールベースのアプローチをおすすめします:
Ciscoでは言語コードと国コードの両方を記載することで、混乱をきたす余地なく訪問者からの期待に応えている点に注目してください。
この記事の読者の中には、「NA」表記のような些細なことに、なぜこれほど多くの文字数を割くのか、不思議に思われる方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、大抵のグローバルサイト(.comのようなドメインのサイト)の訪問者の半数以上は、英語を母国語としない人々であることを念頭に置くことは重要です。幸い地球儀アイコンがあるとはいえ、そのような人々にとっては、「NA」が何を意味するのかわからないかもしれません。より深刻なのは、グローバルにおけるアクセシビリティの問題です。うまくグローバルゲートウェイを設計することで、訪問者数やグローバルな顧客体験を即座に向上させることができます。
グローバルゲートウェイの詳細については、2023年版Webグローバリゼーション・レポートカードをご利用ください。