データ主導の意思決定に必要なこと
ディレクター 田口近年は、Webサイトのアクセス解析だけではなくスマートフォンのアプリも解析対象になっていますし、サイト内やアプリ内の利用状況だけではなく、そこにどうやって人を呼び込むかという点、そしてサイトやアプリを利用したあとにその人々がどうなったのかという点についても知る必要が生じています。サイトやアプリの中だけを見ていたのでは、それがビジネスにどのように貢献したのかが見えにくくなっていますし、今後何にどの程度投資すればよいかという判断に役立てることができません。
例えばセミナーへの集客を考えてみます。
セミナーが成功したかどうかは、どうやって判断すればよいでしょうか?
参加人数でしょうか?事後アンケートの評点でしょうか?
セミナーの目的が「新規商談機会の創出」「見込み顧客獲得」だったとします。
この場合は、セミナー施策の成果を評価するためには「サイト上でのセミナー申し込み完了数」と合わせて
- 当日は会場に何名いらっしゃったのか?
- 見込み顧客リストは何件増えたのか?
- 見込み顧客とは継続的にコミュニケーションできているのか?
- 何名と商談アポがとれたのか?
といった点を評価したいところです。さらにビジネスへの貢献という視点においては
- 何件見積もりを提出したか?
- 何件成約したのか?
- 成約金額はどの程度だったのか?
ここまで把握しておきたいところです。
しかしWebサイトのアクセス解析だけをしていたのでは、必要なデータのうち「サイト上でのセミナー申し込み完了数」しか得ることができません。これではセミナーが成功したのかどうか、Webサイトが商談機会の創出に貢献したのかどうかがすぐには分かりません。
ではWebサイトは、あるいはWebサイトの解析は実際のビジネスには貢献しないのでしょうか?そんなことはありません。この例での問題は、必要なデータが分散して存在することから、適正な評価や迅速な意思決定が可能な環境を作れていない、という点でしょう。
ビジネス上の意思決定には、さまざまなデータが必要です。今デジタルマーケティングを進めるうえで課題になっているのは「データ主導の意思決定」と、「いかに素早くアクションにつなげられるか?」という点です。これらを実現するためには、必要なデータを1か所へ集めてすぐに利用可能にしておく必要があります。「DMP」「ビッグデータ」といったワードが注目されているのも、こうしたデジタルマーケティングのニーズがあるからでしょう。