KPI作成のポイント
ディレクター 田口マーケティングの効果を測定し継続的に改善してゆくためには、KPIを定めて定点観測する必要があります。KPIを定める時に注意したいのが「ゴールを定める」という事です。
ゴールを示す指標「KGI」を達成するために何をすべきかを洗い出し、その中で特に重要な要素(CSF、Critical Success Factor)を見極める。そして各CSFに対して、数値目標であるKPIを定める。こうすることで「KPIを達成することでKGIが達成される」という因果関係を作ることができるようになります。
例を挙げて考えてみます。
「貯金をする」
これはKGI設定のよくない例です。
いつだれが何をすればよいのか、具体的な行動と数値目標にまで落とし込めていません。
目標は具体的かつ客観的で、測定可能なものである必要があります。
「1年で100万円貯める」
これはよさそうなゴールですね。
ではこのゴールを達成するためにはどんなことをすればよいでしょうか?
例えば次のような行動(CSF)と数値目標(KPI)が考えられそうです。
- 自動引き落としでの定額預金を開始する→6月から
- 貯金ペース→6万円×毎月+ボーナス14万円×年2回
- タバコをやめる→3ヶ月以内に禁煙
- 外食を減らし、自炊する→外食は週に1度
- 医療費支出を予防する→週3回水泳する
あとはKPIを定点観測してPDCAサイクルを回せば、1年後に100万円貯めることができそうです。
ビジネスに話を戻しますが、「売り上げを増やす」「問い合わせを増やす」というゴール設定はどうでしょうか。実際にはよくあるのではないでしょうか?しかしどんなターゲットに対して、いつ、誰が何をすればよいかまで落とし込まないことにはゴールに近づくことができず、日々報告されてくる数字をただ眺めて過ごすという事になってしまうのではないでしょうか?私たちが普段携わっているデジタルマーケティング、特にWebサイトに関しては、こうした「ざっくりしたゴール」のまま具体的な行動に落とし込めていないという事が少なくないように思います。
目標は戦略的でなければなりません。戦略的な目標を作るためには、例えばバランススコアカードや戦略マップを作るとやりやすいでしょう。KPIを定めるにはいきなり「どの指標を見ればよいか」を考えるのではなく、ビジネスそのものを俯瞰してとらえなおすとよいでしょう。各種アナリティクスのツールは「何をゴールにすればよいか?」「何をKPIにすればよいか?」という提案はしてくれませんので、KPIを見極めずに報告される数値だけを見てしまうと、ゴールへ向かっているかどうかが分からなくなってしまいます。
KPIを作るときには、ビジネス戦略全体との整合性を取ったストーリーを作るのがポイントです。