カスタマージャーニーについての考察
アナリスト 荒木当社ではサイト構築時にクライアント様とワークショップ形式でカスタマージャーニーマップの作成を行うことがあります。その際に作成したユーザーの理想の行動(ジャーニーマップ)をGoogle アナリティクスなどのサイト内データのみで定点観測していこうとするとギャップが生じてしまうことがあります。
そもそも、カスタマージャーニーとは企業目線ではなくユーザー目線で考えるべきもので、ペルソナの作成を行い、オンライン、オフライン問わずWebサイトのゴールを明確にしてからユーザーの行動プロセスを明確化していくものになります。
人材紹介サイトの場合で考えてみましょう。
カスタマージャーニーマップのプロセスとして「認知」「興味・関心」「比較・検討」「応募(申込)」が考えられますが、人材紹介サイトを閲覧するユーザーは果たして以下の行動を順番通りにとるでしょうか。
- 「認知」...広告などを通じてサイトの存在を知る
- 「興味・関心」...サイトに訪問して自分に興味・関心のある職種・会社を探す
- 「比較・検討」...サイト内外にて興味のある職種・会社を比較・検討する
- 「応募」...求人応募する
サイト運営者としては理想とする流れではありますが、求職者側で考えると希望職種をキーワード広告や自然検索で探すことが考えられます。また、サイト運営者側としてもサイト名を認知していないターゲットに対しては募集職種や求人企業名で広告出稿をすることが多いのではないでしょうか。
そうすると、本来サイトTOPから求人詳細ページへ遷移するという流れに異変が生じ、求人詳細ページのみのアクセスが増加してしまいます。
このようにGoogle アナリティクスでデータを定点観測する場合は、カスタマージャーニーからKPIを落とし込むと有益なデータがとれなくなることがありますので、流入施策状況を加味したROIベースで考える必要があります。