SQLを用いてGA4上のデータ抽出&ユーザーの行動ルートの把握、分析が可能に
アナリスト 宮本GoogleBigQueryを活用しWebサイト上のユーザーのより詳細な行動分析が可能になりました
Google社が提供する「Google Big Query」は膨大なビッグデータに対し、SQLに似たクエリを実行することでデータ抽出を高速で行う解析サービスです。
GA4ではこの「Google Big Query」上でクエリを実行することで、データ抽出を行うことが可能になっています。
そこで、この記事ではGoogle Big Queryを用いたより詳細なユーザーの行動分析について紹介します。
Google Analiticsの現状について
Webサイト上でのユーザーの行動ルートを把握するには、ユーザーの各セッションにおけるランディングページ(ユーザーが初めに訪れたページ)及び離脱ページ(ユーザーが最後に訪れたページ)を同時に示す必要があります。
従来のアナリティクスでは、ランディングページレポートと離脱ページレポートは別機能となっており、並列して表示させる機能がない状態となっています。
アナリティクス上ではユーザーの各セッションごとのランディングページと離脱ページを確認しようとすると目視で確認するしか方法がなく、非常に工数がかかってしまう可能性があります。
データ抽出方法
では、実際にランディングページ(ユーザーが初めに訪れたページ)及び離脱ページ(ユーザーが最後に訪れたページ)を並列して示すデータ抽出方法を紹介します。
1.クエリ概要
サブクエリとしてt1を定義します。
サブクエリに続いて以下のクエリを作成し、サブクエリt1よりデータ抽出を行います。
2.データ抽出概要
(1)抽出項目
landing_and_exit:各セッションのランディングページと離脱ページを同時に表示する
sum_landing_and_exit:各landing_and_exitの合計
(2)セグメント条件
条件1:コンバージョンに至らなかった場合
条件2:ランディングページから直帰した場合を除く
landing_and_exit 毎にグループ分けを行い、sum_landing_and_exitの降順に表示。
3.データ抽出結果
以下のように、sum_landing_and_exitの降順にランディングページと離脱ページを同時に表示したlanding_and_exitが表示されました。
ユーザーの行動ルートの傾向が把握可能
抽出結果をチェックすることで、Webサイト上での行動ルートの傾向を把握することができます。
結果が上位になるほど、コンバージョンに至らない可能性が高いルートになります。
また、セグメント条件を変更することで、逆にコンバージョンに至った行動ルートを抽出することも可能です。
コンバージョンに至る可能性が高いルートから、頻繁に訪れているページなど、コンバージョンに至るまでのポイントも把握可能になります。
データの抽出結果を基に、実際にサイトを見てみることでWebサイトの課題を紐解き、コンバージョンまでの導線を強化するヒントになります。
この指標を活用して、サイト構造や導線の改善につなげてみましょう。