Google アナリティクスでiOSのデバイス種別を識別する方法
アナリスト 深堀Google アナリティクスは、ユーザー情報として、アクセスがあった際のデバイス情報を細かく集計しています。 機種名の情報も集めているので、モバイルデバイスの機種名別に集計も可能です。 下記の手順で該当のレポートを閲覧いただけます。
「ユーザー」→「モバイル」→「デバイス」
GAの計測で、iPhoneは機種別の記録が行われていない
Android端末の場合、Pixel4とPixel5からのアクセスはそれぞれ別のアクセスとして集計されていますが、 iPhoneXやiPhone11といった機種別のアクセスはひとくくりに「Apple iPhone」となってしまいます。 これは、iOS端末のユーザーエージェントが、端末を特定するのに必要な情報を提供しないことに起因しており、Google アナリティクスの仕様となります。
※以下公式ヘルプより引用
iOS 端末の場合: 通常、iOS 端末のユーザー エージェントは、アナリティクスが端末の機種を特定するのに十分な情報を提供しません。このためアナリティクスは通常、端末の機種の特定はせず、「iPhone」、「iPod」、「iPad」のいずれかへの分類のみ行います。ただし、アプリ内 Safari からのアクセス(アプリ内ブラウザでのサイト閲覧)には、端末の機種の特定に使用できる追加情報が含まれています。2015 年後半より、そのような情報がユーザー エージェント文字列に含まれている場合に、アナリティクスは端末の機種まで特定しています。通常、アプリ内 Safari からのアクセスがプロパティのトラフィックに占める割合は 10% 未満です。アクセスの大半は、端末の大まかな種別(iPhone、iPad、iPod)のいずれかに分類されます。
iPhone11のアクセスなのか、iPhone12のアクセスなのか、iPhone12 miniのアクセスなのかが知りたい
上記のヘルプの通り、iOSが端末の識別に十分な情報を提供していないということなので、デバイスレポート単体で識別するのは難しそうです。
ただし、別のディメンション(分析軸)で「画面の解像度」を集計していますので、これをかけあわせることにより端末をある程度推測することは可能です。
ディメンション「画面の解像度」
ユーザーのモニターの画面の解像度です。
PCでいうところの、フルHDが1,920x1,080、4K対応だと3,840x2,160と規格で定められているパネルの画素の縦横のサイズを表すものとなります。
PCだと、ディスプレイの解像度はOSに依存しないため参考にならないのですが、モバイルデバイスは機種によって解像度がユニークな場合が多いため、この情報を使って 「Apple iPhone」として集計された機種別の内訳を推測することができます。
iPhoneの機種別集計の方法
- 「ユーザー」→「モバイル」→「デバイス」
- 「Apple iPhone」のみをまず集計します。
アドバンスフィルタで「Apple iPhone」に完全一致のデータのみを表示させます。 - 「セカンダリ ディメンション」に先程紹介した「画面の解像度」表示させます。
上記のビューでは、「375x667」の解像度からのアクセスが一番多いことがわかりました。 iPhone全体の10%以上のアクセスを占める機種は、4種類であることがわかります。
解像度を使って、機種の上位3位のアクセスを予測すると、下記の通りとなります。
画面の解像度 | 解像度に該当する機種 | 画面のサイズ(インチ) |
---|---|---|
375x667 | iPhone 6 iPhone 6s iPhone 7 iPhone 8 iPhone SE(2世代) |
4.7 |
414x896 | iPhone XR iPhone 11 |
6.1 |
375x812 | iPhone X iPhone XS iPhone 11 Pro |
5.8 |
GAは標準の設定のままでも、個人を特定しない範囲内でさまざまな情報を収集しています。
秘匿されていたり、仕様の問題で取れないデータがあったとしても、別の情報と組み合わせることで有用なデータが得られるかもしれません。