個人別に分かれたタスクボード
かんばん手法はチームのプロセスが見える化でき、コミュニケーションも増やすことができる、とてもいい方法です。その透明性によって、プロセスの検査ができるので改善にも役立ちます。それがかんばんの特長です。かんばんボードの形はチームによって様々で、細かいプロセスを書いたものから、ざっくりしたボードもあります。しかし、かんばんの良くない使い方もあります。それは、個人別のスイムレーンを使ったかんばん、つまり個人別に分かれたかんばんです。
この図を見ると、チーム・メンバーはそれぞれ自分のタスクを持っています。
Tim Ottingerというアジャイル専門家は「もし、あなたのアジャイル・チームが個人別のタスクを持ったら、アジャイルでもないしチームでもありません。」と言っています。
けれども、チームワークはアジャイルに不可欠ですが、これでは自分のワークだけに集中してしまい、互いを助け合うチームワークが機能しない危険性があります。さらに、チームでタスクを行わないのでナレッジ・シェアリングが難しく、一人二業も進めにくくなってしまいます。そして、もしチーム・メンバーがいなくなると、他のメンバーが引き継ぎできず、タスクが進まない危険性もあります。また、そのレーンで分けたボードはチームメンバーの個人別なボードのようになり、タスク量はチームメンバーによって違うことが多く、多忙な人とそうでない人がいる危険性が多くなります。つまりムラができていしまいます。ムラは「ムダ」になり、余分に生産する、余計な動作を含んでいる、といった除くべき余剰になります(ムダ・ムラ・ムリ)。
つまり、個人別に分かれたタスクボードはチームワークを阻害し、一人二業にとって良くないですし、タスク量に関してムラが多くなり、孤独な仕事になってしまう恐れがあります。
けれども、スイムレーンを使ったかんばんでないと、誰がどのタスクを今やっているか、わからなくなってしまいます。そこで、現在のタスク確認するのには、下の写真のようなアバターがよいツールになります。