日本パブリックリレーションズ協会が業務と人材育成に関する調査結果を公開
エグゼクティブ・フェロー 木達日本パブリックリレーションズ協会が、パブリックリレーションズ(広報・PR)業務と人材育成に関する調査 2023を発表していました。この調査は同協会に登録する613社に非会員企業の996社を加え、計1609社を対象に今年1月23日~2月8日に行われたものです。回答数は192件、回収率は11.9%とのことでしたが、大変興味深かったので、その一部をご紹介します。
業務に関わる報告・指揮命令系統上のトップは誰かという問いに対して「社長・CEO直轄」が31.8%、「広報担当役員」28.6%、「経営企画担当役員」が28.1%と大きく3つに分かれることがわかりました。ただし、2000年以降の設立企業や500人未満の企業では半数以上が「社長・CEO直轄」となっています。
歴史の浅い、ないし規模の比較的小さな企業であれば、組織設計上そうせざるを得ない傾向が強まりますので、「社長・CEO直轄」が半数以上を占めるというのは納得感があります。しかし同時にそれは、企業のありたい姿を社内外を問わず発信するうえで、最もブレなく・正確に発信するという目的に合致しますから、理想的とも感じます。
「プロフェッショナルは育成すべきである」と回答した企業がほぼ8割の78.6%にのぼりました。実際のプロフェッショナル職導入に関しては、「すでに導入している企業」は12.0%でしたが、「プロ化に関心がある」企業が64.1%と導入済みの企業と関心がある企業が8割近い数字にのぼることがわかりました。
価値観が多様化し、企業のステークホルダーも必然的に多様化している現代において、より効果的な広報・PR実現のためには専門的な知識・経験も必要ですので、ますますプロフェッショナルが求められつつあるというのも納得できる結果です。しかしその育成方法については、9割以上が「ベテラン・経験者・先輩からの伝授・引継ぎ」ということで、秘伝のタレ......というわけでもないのでしょうけど、社内経験者なり現場に依存している傾向が読み取れます。
広報・PR業務の実務において、今やWebの活用は欠かせません。その前提で、私は広報・PRの考え方というセミナーを開催させていただいています。来月、5月16日の開催で3度目を数えますが、この4月から広報・PRの業務に従事するようになった方には特に、その基本的な考え方をご確認いただける内容になっておりますので、ご参加を検討いただけますと幸いです。