広報・PR業務における生成系AIの活用
エグゼクティブ・フェロー 木達宣伝会議にて、広報は生成AIでどう変わる? 広報・PR担当者アンケート結果という記事を拝見しました。コラム「脅威ではなく機会としての生成系AI」に記したとおり、引き続き生成系AIのニュースが日々あふれている昨今、その広報・PR業務での活用に関して実施された興味深いアンケート調査結果を紹介しています。
広報業務における活用方法で最も多かったのは「広報企画のアイデア検討、情報収集」という結果に。「プレスリリースの作成」「オウンドメディア、社内報の作成」「PRイベントの企画」と続き、企画から執筆にかけて様々な業務でAIの活用を試みている様子が見えた。
生成系AIの有用性は、すでにさまざまなメディアで紹介されているとおりであり、それは広報・PR業務についても同様でしょう。しかし、上記に引用した活用方法のトップ3のいずれについても、同記事の後半で触れられている懸念が存在する点には、注意が必要です。
情報収集における活用については、利用する生成系AI次第では古く誤った情報を鵜呑みにしてしまう懸念があり、ファクトチェックは欠かせません。また、プレスリリースの多くは未公開の、まだ世に出していない情報を取り扱うものですが、その作成に生成系AIを活用するとなれば社外秘の情報を流出させかねません。情報漏洩への懸念は、社内報の作成での活用についても言えることでしょう。
逆に、そうした懸念点に十分注意を払う限り、生成系AIは広報・PR業務の強い味方になり得ます。同記事で取り上げられていたなかでは、「リリースのタイトル案50本出しに活用」というのが面白いですね。会社名や製品名といった固有名詞を別のものに置き換えるといった工夫をしたうえでであれば、生成系AIから「刺さりそうな」タイトル案を安心して短時間で多く引き出せそうです。