Corporate Communications Conference Europe 参加セッションレポート2
海外担当マネージャー / コンサルタント ヒラノ・ブラウン2024年6月25日にアムステルダムで開催された「Corporate Communications Conference Europe(Global Insight Conferences Ltd. 主催)」に参加してきました。
本記事は、私が参加したセッションについて3回にわけてご紹介する記事のうち、第2回になります。
Sustainability & ESG Comms - Panel & Q&A(サステナビリティ&ESGコミュニケーション/パネル・ディスカッション&質疑応答)
Too Good To Goのコーポレートコミュニケーション担当グローバル・ディレクターであるLeanne Attridge氏と、Radisson Hotel Groupの広報・コミュニケーション・ディレクターであるEvi Robignon氏をはじめ、Generali社、Mondelēz International社、Dreams社のかたが共同で、サステナビリティとESGコミュニケーションに関するパネル・ディスカッションを行いました。テーマは「Drive Sustainability & ESG Goals Forward & Deliver Real Organisational Value Through Powerful & Authentic Comms Strategies(力強い真のコミュニケーション戦略を通じて、持続可能性とESGの目標を推進し、組織価値を実現)」です。Leanne Attridge氏とEvi Robignon氏は、グリーンウォッシュ、ピンクウォッシュ、スポーツウォッシュの時代に、潜在的な風評被害やボイコットなどを避けるためには、ESGコミュニケーションはデータと活動の具体的な証拠に裏打ちされたものであることが不可欠であることを強調しました。さらに、サステナビリティの目標には実現までに5年、10年、20年以上かかるものもあるため、サステナビリティとESGにまつわる計画は常に最新のものであるべきであり、例えば、達成した短期的な成果や、中期的な目標に向けた進捗状況、長期的なビジョンの概要など、頻繁に最新情報を提供すべきであると指摘しました。そうすることで、ブランド・エクイティが構築され、企業の活動が肯定的に捉えられ、さまざまな環境計画や地域社会にどのようにコミットし、貢献しているかが明らかになると指摘しました。
また、企業がその社会的地位を利用して特定の問題を取り上げ、言及することが適切かどうかという問題についても議論されました。例えば、米国では企業が特定の政治的スタンスをとると反発されるケースが増えています。次に反発が起きるのは英国や欧州の企業かもしれません。反発や批判を和らげるために、パネリストたちは、企業は教育的な「~すべき」というアプローチを行うのではなく「私たちは皆、~できる」といったニュアンスの言葉を使うべきだと指摘しました。さらに、企業の経営者やコミュニケーション・チームは常に「弊社はあるテーマについてコメントするにふさわしいのか」を考えるべきであり、時代の流れにただ従うのではなく、独自の社会的バロメーター/アンテナを持つべきだとしました。企業は、さまざまな問題に言及するのではなく、核となるメッセージ、つまりProduct、People、Planetという3つの柱だけに集中するのがベストだとパネリストは指摘しました。