Corporate Communications Conference Europe 参加セッションレポート3
海外担当マネージャー / コンサルタント ヒラノ・ブラウン2024年6月25日にアムステルダムで開催された「Corporate Communications Conference Europe(Global Insight Conferences Ltd. 主催)」に参加してきました。
本記事は、私が参加したセッションについて3回にわけてご紹介する記事のうち、第3回になります。
DRIVING VALUE & IMPACT(価値とインパクトを推進/セッション)
このセッションでは、Rocheのベルギー&ルクセンブルグ広報部長Cynthia Bonsignore氏による洞察に満ちたプレゼンテーションが行われました。「Use Data-Driven Insights To Build A Corporate Communications Strategy That Focuses On Value」をテーマに、コミュニケーションのビジネス的価値や、企業コミュニケーションのROIをどのように測定し、主要なステークホルダーなどに提示するのが最適かを紹介したほか、外部エンゲージメント・イニシアチブと効果的に統合することで、測定可能なインパクトを促進し、単なるコンテンツ・アウトプットから成果中心のアプローチに移行する方法について議論しました。Bonsignore氏の「Project One Pager」のスライドは、様々な質問を要約したものです。
「弊社の目標は?何を達成したいのか?」
「この成果を達成するためには、どのようなことや作業が必要か?」
「主要なオーディエンスは誰か?」
「この成果を達成するために、世界中で他にどのような活動/チームが貢献しているのか?」
「弊社が達成できていることを、どのように確認するのか?」
このような質問に答えることで、チームは多様なステークホルダー層にアプローチできるようになります。そのことが、ブランドの知名度や企業の影響力を高め、ビジネスを後押しするブランドを構築します。
A Reputational Reckoning(レピュテーション管理/セッション)
上記の見方と同様にグローバル・メディア・インテリジェンス企業Carmaのインサイト・コンサルタントであるOrla Graham氏は「A Reputational Reckoning: Understanding PR's Impact On Reputation(PRがレピュテーションに与える影響を理解する)」セッションのなかで、コミュニケーションはただのアウトプットの枠を超えたものへとシフトしているとし、現在および将来のコーポレートコミュニケーションの成果と影響力を強調しました。大企業がコミュニケーションに求めているのは、積極的な企業広報(68%)、売上の増加(49%)、ブランドの構築(43%)であるとの調査結果を紹介した後、コミュニケーション・チームがアウトプットを重視するコストセンターから、インパクト・ドライバーとして価値を生み出すパワーハウスへとシフトしていることを指摘しました。
Diversity & Inclusion(多様性と包括性/セッション)
さらに、イギリスの健康関連財団Guy's & St. Thomas' Foundationのコミュニケーション・ディレクター、Pearl Saadi氏は、自身の「Embed D&I At The Heart Of Comms & Support Organisational Diversity Programmes With Authentic Communications」セッションにおいて、コミュニケーション・チームは共有することで価値を創造する戦略的アドバイザーとなり、情報を多くのステークホルダーに広めるようになっていると指摘しました。しかし、そのような大きな力には大きな責任が伴うこと、また、チームはどこでも一度にすべてをこなすことはできないため、影響力のある中核的な分野に集中し続けなければならないことを警告しました。
このカンファレンスへの参加は、洞察を深め、人脈を築き、コーポレートコミュニケーションのアートとサイエンスへの情熱を強化させる機会となりました。