Google Chrome 83が安定版に
エグゼクティブ・フェロー 木達検品に用いている主要ブラウザのアップデートについてお知らせします。
Google Chrome 83が安定版になり、デスクトップ版Chromeでバージョン83.0.4103.61がリリースされました(Chrome Releases: Stable Channel Update for Desktop)。新型コロナウイルスに端を発しバージョン82が欠番扱いとなったため、前バージョンの81に次ぐ安定版のリリースとなります。
本バージョンにおいては複数のタブをグループ化する機能と、「セーフ ブラウジング」機能の強化版の2つが、段階的に有効化される予定となっているのが、ユーザー視点では大きな変化となるでしょう。後者のセキュリティに関連しては、「DNS over HTTPS(DoH)」が本バージョンでは組み込まれており、ユーザーがより安全にWebを利用できるようになりました(Chromium Blog: A safer and more private browsing experience with Secure DNS参照)。
開発者目線で眺めますと、フォームコントロールのデフォルトの見た目が刷新された点より興味を引かれたのが、弱視のユーザーにWebページがどのように見えるかをエミュレートする機能が追加された点。従来、同じような機能を提供する拡張機能は存在しましたが(NoCoffeeやColorblindlyなど)、開発者ツールからBlurred Vision(霧視、かすみ目)、Protanopia(1型2色覚、旧「赤色盲」)、Deuteranopia(2型2色覚、旧「緑色盲」)、Tritanopia(3型2色覚、旧「青色盲」)、Achromatopsia(大脳性1色覚、灰色を除き色を知覚できない)の5タイプの見え方を模擬して画面をレンダリングさせることができるようになりました。
このアップデートには他にも数多くの修正(セキュリティに関する修正については38件)と改良が含まれています。新たに追加された主要な機能については、New in Chrome 83がわかりやすいでしょう。また、 DevToolsの変更点はWhat's New In DevTools (Chrome 83)にまとめられています。
次のメジャーバージョン、Chrome 84のリリースは、Chromium Dashによると2020年7月14日の予定のようです。