Google Chrome 86が安定版に
エグゼクティブ・フェロー 木達検品に用いている主要ブラウザのアップデートについてお知らせします。
Google Chrome 86が安定版になり、デスクトップ版Chromeでバージョン86.0.4240.75がリリースされました(Chrome Releases: Stable Channel Update for Desktop)。
フロントエンド周りで気になったポイントとしては、CSSに関連して2点。まず、:focus-visible疑似クラスを使用できるようになりました。これにより、ユーザーの使用しているデバイスの入力方式に応じてフォーカスインジケーターをカスタマイズできるようになりました。詳細は、:focus-visible - CSS: カスケーディングスタイルシート | MDNをご覧ください。そして、::marker疑似要素もサポートされています。これでリストマーカーのスタイル指定が容易になりました。詳細は、::marker - CSS: カスケーディングスタイルシート | MDNをご覧ください。
DevToolsについては、同梱のLighthouseのバージョンが6.2に上がっています。これによりメインスレッドのロングタスクを把握しやすくなっており、おかげでCore Web VitalsのひとつであるFirst Input Delay(FID)の改善に取り組みやすくなったと言えます。この点についてはフロントエンドBlogの記事、Google Chrome 86に追加予定のPerformanceに関するAuditsを是非あわせてお読みください。またアクセシビリティに関し、色のコントラストがWCAGの基準に照らして不十分な色については、AA/AAA基準を満たす色を提案する機能が実装されています。色指定を変えてから再検証をするより、効率的なコントラスト確保が実現できるでしょう。 chrome://flagsで有効化する必要がありますが、prefers-reduced-dataメディアクエリのエミュレーションに対応した点にも、個人的に注目しています。
セキュリティに関連して、セキュアなWebページ上であっても、通信にHTTPSではなくHTTPを用いるフォームが存在した場合(「混合フォーム(mixed forms)」と呼ばれます)、ユーザーに警告がなされる(自動入力については無効化される)ようになるほか、HTTPでのコンテンツダウンロードをブロックするようになりました。
このアップデートにはほかにも数多くの修正(セキュリティに関する修正については35件)と改良が含まれています。新たに追加された主要な機能については、New in Chrome 86 | Web | Google Developersがわかりやすいでしょう。また、 DevToolsの変更点はWhat's New In DevTools (Chrome 86) | Web | Google Developersにまとめられています。
次のメジャーバージョン、Chrome 87のリリースは、Chromium Dashによると2020年11月17日の予定のようです。