WCAG 2.1 達成基準 2.4.2 「ページタイトル」の検品について
品質管理スタッフ 小稗アクセシビリティに関する検品について、今回はWCAG 2.1の2.4.2「ページタイトル」という項目を取り上げたいと思います。
該当の2.4.2項目についてはWeb Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.1(ウェブアクセシビリティ基盤委員会による日本語訳)のページで確認できます。
達成基準の表現は「ウェブページには、主題又は目的を説明したタイトルがある。」と至ってシンプルです。WCAG 2.1 解説書では、「利用者がコンテンツを見つけやすく、自分の現在位置を確認しやすくすること」がこの達成基準の意図であることが説明されています。
検品の方法
上記の妥当性を検品するにあたってはコンテンツの意味や文脈を追っていく必要があるため、機械的なチェックが難しく、品質管理部門のスタッフによる目視チェックを行っています。
検品を行いたいページのソースを開き(WindowsですとCtrl+Uのショートカットが便利です)、title要素を確認するのがシンプルな方法です。主要なブラウザの開発者ツールで要素を特定する方法、また、ブラウザのタブ部分にマウスカーソルを当てるとtitle要素のテキストが吹き出しで表示されるので、これを目視で確認するという方法もあります。
当社内での検品時には、前工程から原稿がインプットされますので、原稿と一致した実装であるかテキスト比較を行っています。
タイトル重複とサイト運用場面での配慮
非常に明快でシンプルな基準に見えますが、失敗例を示したページを見ると少し見え方が変わってきます。以下、ページ内の例2を引用します。
テンプレートを用いて生成されたサイトにおいて、サイトの各ページに同じページタイトルがついている。そのため、ページタイトルによってページの違いを見分けることができない。
ここで示されているのはタイトルの重複についてです。全く同じページ名を持った複数のページが存在することは見分けがつかなくなってしまうためNG、という例示になります。上記の例ではテンプレートを用いて生成とありますが、実装方法は問わないでしょう。例えば、Aというサービス配下とBというサービス配下に「お問い合わせ」とだけ書かれたタイトルを持つページが存在してしまうケースなどが典型的な重複の事例です。
サイト運用の場面では、こうした重複が発生しない手順や、チェックして発見できる手順を設けて、常時運用し続けることが必要となります。
ページタイトルを記載したファイルリストを常に管理するフローを組み込んでサイト運用するのが、重複を予防する手堅い方法と思われます。最近ではスクレイピングツールも普及していますので、定期的に重複がないかチェックすることでもほぼ同様の効果を得られるでしょう。サイト規模が大きくなるほど、シンプルな管理方法を定めておくことが継続性という観点から大事になると思います。
なお、例えば当社内でサイトリニューアルのプロジェクトが進む場合は、ファイルリストで各ページの情報を管理することを基本としていますので、実装前に重複がないかをファイルリスト上で確認することも1つの方法です。