Google Chrome 105が安定版に
エグゼクティブ・フェロー 木達検品に用いている主要ブラウザのアップデートについてお知らせします。
Google Chrome 105が安定版になり、デスクトップ版ChromeでmacOS/Linux向けにバージョン105.0.5195.52、Windows向けにバージョン105.0.5195.52/53/54がリリースされました(Chrome Releases: Stable Channel Update for Desktop)。
本バージョンでサポートされたなかで目を引くのが、なんといっても擬似クラスの:has()と、コンテナクエリです。:has()は、20年前の自分(苦笑)に教えたら泣いて喜ぶであろう擬似クラスであり、例えば以前は hasChild
のようなclass属性値をわざわざ付与してスタイルを調整していたのが、不要になります。主要ブラウザでのサポートはまだ不足しており、実務で使えるようになるのはもう少し先かもしれませんが(Can I useの:has()参照)、これは朗報です。
コンテナクエリは、メディアクエリを活用しビューポート幅を一元的な基準としてレスポンシブWebデザインを実現してきた、従来の設計手法を大きく変え得るものです。見方によっては、コンテナクエリのおかげでフロントエンド設計の柔軟性が高まると言えますし、またビューポートに依存する必要性が低くなる点では、コンポーネント指向が一層強まるとも予想できます。いずれにしても上述の:has()と合わせて、今後のフロントエンド設計におけるゲームチェンジャーと呼んで差し支えないと私は思います。
それらコンテナクエリと:has()擬似クラスの「合わせ技」により、シンプルなHTML/CSSコードでもってビジュアルデザインのさまざまなバリエーションに対応しているサンプルが@container and :has(): two powerful new responsive APIs landing in Chromium 105 - Chrome Developersで紹介されていますので、ぜひご覧ください。
このアップデートにはほかにも数多くの修正(セキュリティに関する修正については24件)と改良が含まれています。開発者向けにはNew in Chrome 105 - Chrome Developersがわかりやすいでしょう。また、新たに追加されたDevToolsの機能については、DevTools の新機能 (Chrome 105) - Chrome Developersにまとめられています。
次のメジャーバージョン、Chrome 106のリリースは、Chromium Dashによると2022年9月27日の予定のようです。