Google Chrome 106が安定版に
エグゼクティブ・フェロー 木達検品に用いている主要ブラウザのアップデートについてお知らせします。
Google Chrome 106が安定版になり、デスクトップ版ChromeでmacOS/Linux向けにバージョン106.0.5249.61、Windows向けにバージョン106.0.5249.61/62がリリースされました(Chrome Releases: Stable Channel Update for Desktop)。
本バージョンでは、まずIntl APIsのサポートが向上しました。Intl APIsの「Intl」とはInternationalization、つまり国際化の略語であり、Intlオブジェクトを活用することで、日時や通貨などをさまざまな言語圏や文化圏に対応しやすくなります。Chrome 106では、数値の取り扱いに関するIntl.NumberFormatオブジェクトのサポートが向上しています。
また、Pop-Up APIがサポートされています(オリジントライアル)。Pop-Up APIは、UIに比較的よく見られるポップアップ機能を、JavaScriptをまったく書くことなく実現できるようにするものです。Pop-ups: They're making a resurgence! - Chrome Developersにある解説が参考になりますが、仕様はOpen UIのPop Up API (Explainer)で確認できます。
CSS周りでは、icという単位が新たにサポートされています。この単位は、CSS Values and Units Module Level 4(現時点ではまだ草案段階)の6.1.1. Font-relative Lengths: the em, rem, ex, rex, cap, rcap, ch, rch, ic, ric, lh, rlh unitsで定義されています。表意文字を扱う言語で書かれたテキストにおいて、「水」という文字の幅や高さを基準に用いることができます。なぜ「水」なのか......については、[css-values] should ic unit use 永 instead of 水? · Issue #2798 · w3c/csswg-draftsでのやり取りが参考になるかもしれません。
このアップデートにはほかにも数多くの修正(セキュリティに関する修正については20件)と改良が含まれています。開発者向けにはNew in Chrome 106 - Chrome Developersがわかりやすいでしょう。また、新たに追加されたDevToolsの機能については、What's New In DevTools (Chrome 106) - Chrome Developersにまとめられています。
次のメジャーバージョン、Chrome 107のリリースは、Chromium Dashによると2022年10月25日の予定のようです。