Google Chrome 109が安定版に
エグゼクティブ・フェロー 木達検品に用いている主要ブラウザのアップデートについてお知らせします。
Google Chrome 109が安定版になり、デスクトップ版ChromeでmacOS向けにバージョン109.0.5414.87、Linux向けにバージョン109.0.5414.74、Windows向けにバージョン109.0.5414.74/.75がリリースされました(Chrome Releases: Stable Channel Update for Desktop)。
本バージョンで注目したのはMathML Coreのサポートです。MathML(Mathematical Markup Language)とは、数学表記を記述するためのXMLベースの言語で、W3CのMath Working Groupで策定されています。Chromeにおいては、ちょうど10年前の2013年1月にバージョン24でサポートされましたが、その後パフォーマンスなどを理由にサポートは削除されていました(Google subtracts MathML from Chrome, and anger multiplies - CNET参照)。
今回、Chrome 109でサポートされたMathML Coreは、相互運用性の向上などを目的としてMathMLからサブセット化された仕様であり、MathMLのあらゆる機能がサポートされるわけではありません。とはいえ、FirefoxやSafariが以前からサポートしてきたなか(MathML | Can I use... Support tables for HTML5, CSS3, etc参照)、改めてChromeでMathMLを利用できるようになった意義は大きいでしょう。サポートの復活に貢献したIgaliaのMathML in Web Browsersや、Igalia Brings MathML Back to Chromiumという記事もあわせてご覧ください。
このアップデートにはほかにも数多くの修正(セキュリティに関する修正については17件)と改良が含まれています。開発者向けにはNew in Chrome 109 - Chrome Developersがわかりやすいでしょう。また、新たに追加されたDevToolsの機能については、What's New In DevTools (Chrome 109) - Chrome Developersにまとめられています。
次のメジャーバージョン、Chrome 110のリリースは、Chromium Dashによると2023年2月7日の予定のようです。