Google Chrome 111が安定版に
エグゼクティブ・フェロー 木達検品に用いている主要ブラウザのアップデートについてお知らせします。
Google Chrome 111が安定版になり、デスクトップ版ChromeでWindows向けには111.0.5563.64/.65、macOSとLinux向けには111.0.5563.64がリリースされました(Chrome Releases: Stable Channel Update for Desktop)。
本バージョンでは、CSS Color Module Level 4(現時点では正式に勧告されてはおらず、勧告候補草案の状態)で定義されているカラータイプやカラースペースに対応した点に注目です。詳細については先だってHigh Definition CSS Color Guide - Chrome Developersで非常に詳しく解説されていますが、lab()、oklab()、lch()、oklch()という記法でもってデバイスに依存しない色の指定ができるようになりました。
色に関しては他にもcolor()記法による色指定や、color-mix()(こちらはCSS Color Module Level 5で定義されています)を用いた混色の指定が可能となっています。また、これらはDevToolsでも利用可能となっていて、例えばスタイルペインである色を調査した際に、利用可能となった新たなカラータイプでの表現を確認できます。
またフロントエンド周りで言えば、CSS Selectors Level 4(現時点では草案)における:nth-child(an + b)と:nth-last-child()の拡張に対応した点も目を引きました。こちらについてはMore control over :nth-child() selections with the of S syntax - Chrome Developersに、ブラウザのサポート状況ですとか実際の使用例とともに解説されています。Safariもサポート済みであり、あとはFirefoxがサポートすれば安心して使えそうです。
このアップデートにはほかにも数多くの修正(セキュリティに関する修正については40件)と改良が含まれています。開発者向けにはNew in Chrome 111 - Chrome Developersがわかりやすいでしょう。また、新たに追加されたDevToolsの機能については、What's New in DevTools (Chrome 111) - Chrome Developersにまとめられています。
次のメジャーバージョン、Chrome 112のリリースは、Chromium Dashによると2023年4月4日の予定のようです。