Google Chrome 114が安定版に
エグゼクティブ・フェロー 木達検品に用いている主要ブラウザのアップデートについてお知らせします。
Google Chrome 114が安定版になり、デスクトップ版ChromeでWindows向けには114.0.5735.90/91、macOSとLinux向けには114.0.5735.90がリリースされました(Chrome Releases: Stable Channel Update for Desktop)。
本バージョンでは、まずCSSのtext-wrap: balance;
がサポートされた点が目を引きます。これはCSS Text Module Level 4で定義されたもので、複数行にわたるテキストのバランスを整えるべく改行位置をブラウザが自動的に調整します。詳細な解説はCSS text-wrap: balance - Chrome Developersにありますが、文字のサイズや表示に用いられるフォントによらずにバランスを取ることができるのは、非常に便利だと思います。Chrome以外のブラウザによる1日も早いサポートを期待したいところです。
加えて、Popover APIのサポートもまた要注目です。これは、特定のコンテンツをページ上の他のコンテンツより前面に表示させる仕組みで、dialog要素と似ていますが、非表示とするために必要なユーザー操作や、他のコンテンツが活性か不活性かといった点で明確に異なります。Introducing the popover API - Chrome Developersで詳細が解説されていますが、日本語で読めるものとしてはポップオーバー API - Web API | MDNが参考になると思います。JavaScriptを書く必要なく、簡単に実装できるのはメリットであるいっぽう、ブラウザのサポートが充実するまでは、使い所が悩ましいかもしれません。
このアップデートにはほかにも数多くの修正(セキュリティに関する修正については16件)と改良が含まれています。開発者向けにはNew in Chrome 114 - Chrome Developersがわかりやすいでしょう。また、新たに追加されたDevToolsの機能については、What's New in DevTools (Chrome 114) - Chrome Developersにまとめられています。
次のメジャーバージョン、Chrome 115のリリースは、Chromium Dashによると2023年7月18日の予定のようです。