Google Chrome 118が安定版に
エグゼクティブ・フェロー 木達検品に用いている主要ブラウザのアップデートについてお知らせします。
Google Chrome 118が安定版になり、デスクトップ版ChromeでWindows向けには118.0.5993.70/.71、macOSとLinux向けには118.0.5993.70がリリースされました(Chrome Releases: Stable Channel Update for Desktop)。
フロントエンド周りでまず私が注目したのは、CSSの@scope規則のサポートです。この規則を使用するとスコープ、つまりドキュメントのサブツリーや断片を対象として 、より的を絞ってセレクタをマッチングさせることができます。Scoped Styles: the @scope rule | Can I use... Support tables for HTML5, CSS3, etcにあるとおり、ブラウザのサポートはまだまだこれからという状況ですが、気になる方は仕様(CSS Cascading and Inheritance Level 6)を確認しておくと良いでしょう。
またメディアクエリに関連して、scriptingとprefers-reduced-transparencyがサポートされています。前者の詳細については、フロントエンドBlogの今年4月の記事、CSSだけでスクリプトの有効・無効に合わせてスタイルを設定するをご覧ください。後者については、OSで画面表示の「透明度を下げる」設定に対応したスタイルを定義できるようにするもので、最新の仕様は著者草案のMedia Queries Level 5で確認できます。ちなみにChrome 118のDevToolsには、透明度を下げた環境をエミュレートする機能も追加されています。
このアップデートにはほかにも数多くの修正(セキュリティに関する修正については20件)と改良が含まれています。開発者向けの情報はNew in Chrome 118 - Chrome for Developersにまとまっています。特に、新たに追加されたDevToolsの機能については、What's New in DevTools (Chrome 118) - Chrome for Developersにまとめられています。
次のメジャーバージョン、Chrome 119のリリースは、Chromium Dashによると2023年10月31日の予定のようです。なお、バージョン119からはリリース間隔が4週間から3週間に短縮されます。