Google Chrome 119が安定版に
エグゼクティブ・フェロー 木達検品に用いている主要ブラウザのアップデートについてお知らせします。
Google Chrome 119が安定版になり、デスクトップ版ChromeでWindows向けには119.0.6045.105/.106、macOSとLinux向けには119.0.6045.105がリリースされました(Chrome Releases: Stable Channel Update for Desktop)。リリース間隔が4週間から3週間に短縮されてから、初のメジャーバージョンアップです。
フロントエンド関連で注目なのがCSSのサポートで、まず:user-valid
と:user-invalid
という2つの擬似クラスがサポートされました。既存の:valid
や:invalid
擬似クラスと似ていますが、userという言葉が先頭についていることからお察しのとおり、ユーザーが入力フォームを操作したあとで適用される点が異なります。詳細はフロントエンドBlogの記事、:user-validと:user-invalid擬似クラスをご覧ください。
また色に関して、相対色構文がサポートされています。これはCSS Color Module Level 5で定義されているもので、英文の記事ですがCSS relative color syntax - Chrome for Developersで詳しく解説されています。この構文を用いますと、ある色を元に別の新しい色を定義したり、異なる色空間を選択することができます。
そして、clip-path
プロパティにおいて、値のサポートが充実しました。同プロパティは、要素のどの部分を表示するか、そのクリッピング領域を定義するものです。 Chrome 119において<geometry-box>
値のほか、xywh()
とrect()
の2つの関数がサポートされました。
このアップデートにはほかにも数多くの修正(セキュリティに関する修正については15件)と改良が含まれています。開発者向けの情報はNew in Chrome 119 - Chrome for Developersにまとまっています。特に、新たに追加されたDevToolsの機能については、What's New in DevTools (Chrome 119) - Chrome for Developersにまとめられています。
次のメジャーバージョン、Chrome 120のリリースは、Chromium Dashによると2023年12月5日の予定のようです。