WCAG 2.2 達成基準 1.3.3 「感覚的な特徴」の検品について
品質管理部スタッフ 舘岡アクセシビリティに関する検品について、今回はWCAG 2.2の1.3.3「感覚的な特徴」という項目を取り上げたいと思います。 該当の達成基準1.3.3項目についてはWeb Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.2(ウェブアクセシビリティ基盤委員会による日本語訳)のページで確認できます。
以下、達成基準の日本語訳です。
コンテンツを理解し操作するための説明は、形、色、大きさ、視覚的な位置、方向、又は音のような、構成要素が持つ感覚的な特徴だけに依存していない。
視覚や聴覚に依存した表現がされておらず、すべてのユーザーに対してコンテンツの内容を伝えられることが求められています。 コンテンツを位置や形状のみで識別している場合、視覚障がいのあるユーザーだとコンテンツを見つけるのが難しくなる場合があります。 レイアウトが変わるとコンテンツの位置が変わる可能性があり、その都度実装者の対応が必要となります。
検品の方法
妥当性を判断するためには、コンテンツの意味や文脈を追っていく必要があるため機械的なチェックが難しいケースが多く、品質管理部門のスタッフによる目視チェックが中心となります。
とはいえ、テキスト形式の指示書あるいは原稿通りに実装されていても感覚に依存した表現がされている場合があるため、単純なテキストチェックをした後にページ内検索や正規表現などを用いて形や位置を表す単語や記号を検索し、該当するテキストを目視して確認します。
チェックするにあたり以下の基準に沿って検品を行います。
- 形や位置のみに依存した表現が使用されていないこと
- ただし形や位置以外の情報と組み合わされている場合は問題なし
具体的な名称を含む場合や、文脈で判断できる場合は問題なしと判断します。
実装状況の「よい例」「悪い例」
「感覚的な特徴」の表現について「よい例」と「悪い例」を例示してみます。
よい例
位置のみに依存した表現がされているように見えますが、位置以外の具体的な情報と組み合わされているためよい例となります。
- 「左のカテゴリーメニュー」
- 「右のYouTubeの動画」
悪い例
位置のみに依存した表現がされているため以下の2点は悪い例となります。
ただし「下記の通り」、「以下の」、「以上の」など文脈で判断できる場合は問題ありません。
- 「左のメニュー」
- 「右の動画」