2024年度7~9月の検品実績と品質改善の取り組みについて
品質管理部スタッフ 小稗今回は、2024年度2Qの検品実績と、検品にもとづく品質改善の取り組みについて取り上げます。
社内用語の定義
検品
- ミツエーリンクス社内で開発されたWebコンテンツについて、原則納品直前にその出来栄えについてチェックすることを「検品」と定義しています
- 検品は原則、品質管理部によって行います
- 社内では様々なクライアントの様々なプロジェクトが進行していますが、この検品は品質管理部に集約して行っています
- 検品プロセスで検知した問題点は、その問題がすべて解消されるまで開発スタッフとの出し戻しを繰り返し、納品物に問題が残らないよう努めています
検品合格率
- 検品によって不備や修正すべき箇所が見つからなかった場合(=ミスがなかった場合)、検品依頼ごとに検品合格とみなしています
- 顧客要望にもとづいてコンテンツが作成されているか、アクセシビリティ標準対応の基準に照らして問題ないか、が主な判定基準となります
- 一定期間の総依頼件数を分母に、合格した件数を分子として、その比率を数値化したものが「検品合格率」です
- Webコンテンツ作成の作業精度をみるKPIとして機能しています
- 2024年度の社内目標は通年で60%以上
検品依頼
- 検品を進めるための、開発スタッフからのインプットを検品依頼と定義しています
- 開発スタッフは作業のまとまりごとに検品依頼を作成、専用の社内システムに登録しています
- 品質管理部はその検品依頼に沿って検品を行います
- ページ数、内容は検品依頼ごとに異なっています
依頼不備率
- 検品に依頼された内容に不備があったものを依頼不備としてカウントしています
- 記載内容をもとに検品を進めるのが難しい場合、品質管理部スタッフによって不備と判定しています
- 依頼不備がすべて解消されたうえで検品を進めています
- 一定期間の総依頼件数を分母に、依頼に不備が発生してしまった件数を分子として、その比率を数値化したものが「依頼不備率」です
- 前工程から後工程へのインプットの精度をみるKPIとして機能しています
- 2024年度の社内目標は通年で15%以下
2024年度7~9月の検品実績
- 検品依頼件数:1117件
- 検品合格率:60.4%
- 依頼不備率:9.8%
検品合格率にもとづく改善アクション
検品合格率が低下するということは、作業上のミスが最終工程である検品まで見つからなかったことを意味します。 より前工程でのミスの予防のため、ミスの原因と今後取り得る対策について検討するアクションに取り組んでいます。
改善事例の紹介
合格率低下を受けてのヒアリングと原因分析
ある案件で不合格となる検品依頼が重なったことを受けて、検品を行った品質管理部とプロジェクトメンバーからディレクターおよび開発者が参加してミーティングを行いました。 実際に検品依頼を出したスタッフを中心に、検知されたミスの発生原因についてヒアリングを進めました。
その結果、プロジェクトメンバーは以下のような問題に突き当たっていたことがわかりました。
- 検品プロセスへのインプットのばらつき
- 該当の検品依頼は納品直前ではなく、CMS投入前のコンテンツに対して行う判断としていた
- title要素やmeta要素はCMS投入までは仮の状態であるため、検品不要というのがディレクターの見解
- この判断が開発者全員に上手く伝わっていなかった
- 不要な半角スペースの混入
- 原稿からテキストをコピーする際に混入、社内のテキスト比較ツールで比較していたが見逃してしまった
- あらかじめ元ページに不要なスペースがあった場合、比較ツールで検知できなかった
- 代替テキストを空にする判断が難しかった
改善に向けた対策
これらのヒアリング内容を受けてミーティング参加者で相談し、以下の対策をとりまとめました。
- 検品依頼でのインプット内容をディレクターが改めて整理して開発者へ申し送りする
- 不要な半角スペースはブラウザのページ内検索機能や、正規表現を使用してのテキスト検索などで見つける確率をあげる
- 代替テキストを空にする基準について、品質管理部の知見を伝えた
その後、同案件の作業で同様の不合格は発生していない状況です。
今後も、こうした社内集計に基づいた改善活動を続けていきます。