2024年10~12月の検品実績と品質改善の取り組みについて
品質管理部スタッフ 小稗今回は、2024年10~12月の検品実績と、検品にもとづく品質改善の取り組みについて取り上げます。
社内用語の定義
検品
- ミツエーリンクス社内で開発されたWebコンテンツについて、原則納品直前にその出来栄えについてチェックすることを「検品」と定義しています
- 検品は原則、品質管理部によって行います
- 社内では様々なクライアントのプロジェクトが進行していますが、この検品は品質管理部に集約して行っています
- 検品プロセスで検知した問題点は、その問題がすべて解消されるまで開発スタッフとの出し戻しを繰り返し、納品物に問題が残らないよう努めています
検品合格率
- 検品によって不備や修正すべき箇所が見つからなかった場合(=ミスがなかった場合)、検品依頼ごとに検品合格とみなしています
- 顧客要望にもとづいてコンテンツが作成されているか、アクセシビリティ標準対応の基準に照らして問題ないか、が主な判定基準となります
- 一定期間の総依頼件数を分母に、合格した件数を分子として、その比率を数値化したものが「検品合格率」です
- Webコンテンツ作成の作業精度をみるKPIとして機能しています
- 2024年度の社内目標は通年で60%以上
検品依頼
- 検品を進めるための、開発スタッフからのインプットを検品依頼と定義しています
- 開発スタッフは作業のまとまりごとに検品依頼を作成、専用の社内システムに登録しています
- 品質管理部はその検品依頼に沿って検品を行います
- ページ数、内容は検品依頼ごとに異なっています
依頼不備率
- 検品に依頼された内容に不備があったものを依頼不備としてカウントしています
- 記載内容をもとに検品を進めるのが難しい場合、品質管理部スタッフによって不備と判定しています
- 依頼不備がすべて解消されたうえで検品を進めています
- 一定期間の総依頼件数を分母に、依頼に不備が発生してしまった件数を分子として、その比率を数値化したものが「依頼不備率」です
- 前工程から後工程へのインプットの精度をみるKPIとして機能しています
- 2024年度の社内目標は通年で15%以下
2024年10~12月の検品実績
- 検品依頼件数:1429件
- 検品合格率:60.4%
- 依頼不備率:6.2%
検品合格率にもとづく改善アクション
検品合格率が低下するということは、作業上のミスが最終工程である検品まで見つからなかったことを意味します。 より前工程でミスを予防するため、ミスの原因と今後取り得る対策について検討するアクションに取り組んでいます。
改善事例の紹介
合格率低下を受けてのヒアリングと原因分析
ある案件で不合格となる検品依頼が重なったことを受けて、検品を行った品質管理部と案件メンバーからディレクターおよび開発者が参加して改善ミーティングを行いました。 検品依頼を出した実装担当のスタッフに、検知されたミスの発生原因についてヒアリングを進めたところ、以下のような状況下で作業していたことがわかりました。
- 作業スケジュールがもともと不十分
- 作業依頼を受けた時点で、日数に余裕がない状況下でスケジューリングしていた
- モジュール設計を担当者間で分担
- 当初はモジュール設計とページ実装で担当するスタッフを分けていたが、一部モジュール設計を設計経験の浅い実装担当スタッフが行った
- 追加作業、別案件作業の発生
- 上記の分担後に追加モジュールの設計が発生
- また、別案件の作業も発生し対応が必要な作業が過剰に重なってしまった
結果として、十分な自己チェックができないまま、最終チェックプロセスである検品プロセスへ引き渡すことになってしまっていました。
改善に向けた対策
該当の案件は、検品時に問題を発見して修正作業を行い、ヒアリング時点では納品完了しています。ただ今後の案件に活かすよう、今回の問題点と今後取り得る予防策について以下の通り取りまとめ、関係者間で共有しました。
- タスク追加の時点でスケジュール調整せずに進めていた
- 進捗途中でのスケジュール調整は常に意識して臨む
- ディレクターや後工程(この場合は検品担当)への個別相談は積極的に行う
- 設計作業へのチャレンジ自体はよかった
- 経験を積むためのチャレンジ自体は継続してほしい
今後もこうした社内集計にもとづいた改善活動を続けてまいります。