Vol.70「ほんとにあった怖い案件 2018 ~MTL第70回記念納涼スペシャル!!~」(7月25日開催)
UI開発者 宇賀
皆さんこんにちは!UI開発者の宇賀です。
今日は7月25日に開催されたテックラウンジVol.70の様子をご紹介したいと思います。
今回のテーマは「ほんとにあった怖い案件 2018 ~MTL第70回記念納涼スペシャル!!~」でした!
昨年7月19日にも同じテーマで開催しましたが、今年も無事に(?)参加者一同肝が冷える話を聞くことができました。
70回記念ということもあり登壇者もミツエーリンクスオールスター!といったところでしょうか。人数もレイヤーもスペシャルな回になったと思います。
毎年恒例となりつつある「ほんこわシリーズ」のテックラウンジは、日々の業務の中で体験した「ヒヤッとした瞬間や、失敗事例」をスピーカーの皆さんにお話しいただき、参加者はそのお話を今後の教訓にしていく、という趣旨のイベントです。
早速本題に入っていきましょう。
検品できない!?
最初の登壇者は品質管理部マネージャーのKさんにお話しいただきました。
品質管理部は主に、社内で制作されたWebコンテンツの検品業務を担っており、社内にありながら第三者的な視点で成果物を見ることができる部門です。
社内に用意されている専用のイントラサイトに、制作担当者が「検品依頼」を立てることで、品質管理部は依頼内容に基づいて検品を行うのですが、その検品依頼自体に誤りがあるケースを特に危険視しているとのこと。
お話の中では、具体的な検品依頼の書き損じを2例あげながら、注意するべきポイントや解決方法などをご紹介いただきました。
※ 当社の品質管理部の業務内容の紹介や活動の様子はWeb品質Blogで発信していますので、よろしければそちらも合わせてご覧ください。
デスマ
2人目の登壇者は、第三営業チームグループリーダーのYさんです。
発表タイトルは「デスマ」。1990年に設立したミツエーリンクスも、今年で28年目。お客様にご満足いただける品質と対応を第一に日々取り組んではおりますが、残念ながら深刻なトラブルになってしまった案件もありました。
同じような状況を生み出さないためにと語っていただいたのは、Yさんが関わっていた案件で起きたトラブルのお話です。
案件がデスマーチに発展すると、関係者みんながデスマーチの被害者になってしまう怖さがあるとのこと。この件を受けて、会社として同じ現象が起こらないように対策がとられているものの、新たなデスマーチの当事者にならないように案件を進めていきたいと思います。
検収がもらえない・・・
3人目の登壇者は、同じく第四営業チームグループリーダーのTさんです。予定していた年度末までに検収書をいただくことができなかった経験をお話しいただきました。
検収書とは、お客様からいただいたご依頼内容を当社が達成できていることを正式に示す書面のことです。検収書がいただけると対価をお支払いいただく運びになるのですが、年度末までに検収書がいただけないと「期ずれ」と呼ばれる会社にとっても社員にとってもよくない現象が起こります。
Tさん曰く、そうならないようにお客様が何に対して不安を感じているかをキャッチして案件進行メンバーに共有しながら、社内の状況もお客様にご理解いただく連携をしていくことが重要だとのこと。
また、こうした社内外の連携に加えて分割検収を含めた相談も早めにしておくべきと述べられていました。普段営業チームのスタッフと関わらない職種の方々にとっても、いい刺激になったセッションだったと思います。
まんじゅうこわい
4人目の登壇者は、第一事業部第一部(システム)マネージャーのSさん。これまで経験した事故案件を通して得た知見として「プロアクティブ(順向)」という考え方が有効である、というお話でした。
ブルー・オーシャン・シフトという書籍から業界の状況をただ受け入れるのではなく、
自ら形作ろう
という一説を引用して、競争のない市場を自ら形作っていくことが重要だというSさん。
タイトルにある「まんじゅうこわい」という古典落語は、集まった数名が嫌いなものや怖いものを言い合う中、「まんじゅうがこわい」と言うことで結果的にまんじゅうを手に入れる人物が登場します。
「怖いものを言い合う」というレッドオーシャンに対して、周囲の状況を無視し「まんじゅうがこわい」と発言することで自分自身に利益のある状況を作り出していく様子が、まさにブルー・オーシャン戦略家の発想法であり、プロアクティブと言えるとSさんは言います。
すでにある市場で戦うよりも、先行してこれまでにないサービスを開発し、お客様からのご要望をいただく前に実現する用意をしておくことで、お客様のニーズとご提供できるソリューションにギャップが発生する可能性を下げていくことも有効だそうです。
そのほかにもシフトレフトという考え方や、武道にたとえた考え方など10分間の発表の中にたくさんのお話がテンポよく詰め込まれていて多くの学びがあるお話を聞かせていただくことができました。
開発者ツールなんて便利なものがなかった頃の思い出
5人目の登壇者は取締役のKさんです。
CSSがまだ世の中に浸透していない10年以上前、Internet Explorer 5.5~6、Netscape Navigatorなどの古のブラウザたちが名を馳せていた時代のお話でした。
2006年1月に有名な開発者ツール「Firebug」がリリースされて以来、最近ではブラウザにWeb開発者ツールが搭載されているのがいたって普通であるように感じますが、当時のブラウザにはそういう類のものもなく、CSSを書く場合はリバースエンジニアリングが必要不可欠だったとのこと。
そんな時代の、CSSを利用したWebコンテンツ制作案件でのトラブルを例に、当時の経緯や反省点をご紹介いただきました。
10年以上も前の出来事ではありますが、現在にも通じる内容から参加者の皆さんも学びを得たのではないでしょうか。
プロジェクトでヒヤリとしないために
最後の登壇者は取締役のMさんです。行動経済学の観点から、プロジェクトがうまくいかない要因のいくつかをご紹介いただきました。
理想的な計画を立てていても、何かしら想定外のことが起きるため、必ずその通りになるとは限りません。そこで、予めうまくいかない場合はどういうことが原因になるか?を考えておくことが重要だそうです。
また、未来の自分に期待してしまうことも危険だとのこと。現在あるタスクを今やらなかった場合に起こりうるリスクを長期的な視点で見ることもその1つだとお話しされていました。
軍隊や医療機関、消防などの現場で使われている仕事術に次のようなものがあるそうです。
- 未来の失敗をイメージする
- その失敗の原因や問題点を抽出する
- 対策と新しい実行プランの立案
- 進行度合いをチェックしながら確実に遂行
これは先にしくじる 絶対に失敗できない仕事で成果を出す最強の仕事術という書籍で紹介されていたもので、通常の案件進行でも十分に効果を発揮すると感じました。
起こりうるリスクをできる限り想定し、これまでのやり方や成功体験に固執せず、臨機応変にプロジェクトを進めることで、お客様はもちろん自分たちにかかるストレスも少なく進行させられることが学べたセッションでした。
おわりに
さて、いかがでしたでしょうか?
今回も非常に学びの多い貴重な回だったと思います!スペシャル回でありつつ人数が多いこともあり、記事自体のボリュームもスペシャルに...笑
実際にイベント内で話を聞いていた参加者は実際に起こったトラブルに肝を冷やしつつも、教訓としていかせる有意義な時間になりました。来年の「ほんこわシリーズ」はどんな内容になるのでしょうか...!
次回のテックラウンジは8月開催となります。お楽しみに!