アクセシビリティの祭典 in MLC 2020 ~見つけよう身近なアクセシビリティ~開催レポート(9月2日開催)

UI開発者 古川

アクセシビリティの祭典 in MLC 2020 ~見つけよう身近なアクセシビリティ~

みなさんこんにちは!UI開発者の古川です。

例年に引き続き、今年もテックラウンジ運営委員会主催のイベント「アクセシビリティの祭典 in MLC 2020 ~見つけよう身近なアクセシビリティ~」を開催しました。

過去にも開催していますので、興味のある方はぜひイベントレポートをご覧ください!

「アクセシビリティの祭典 in MLC」とは?

NPO法人アイ・コラボレーション神戸さんが主催しているアクセシビリティの祭典にインスパイアされ企画されたイベントです。

※ なお、アクセシビリティの祭典という名称で社内イベントを行うことについては、イベントの主催者より承諾いただいております。

タイムテーブル

当日はLT2本、そして「アクセシビリティの祭典 in MLC」初めての試みである「絵文字あてゲーム」の3本立てで進行しました。

  1. LT:「アクセシビリティ対応とデザインの関係性について」
  2. LT:「となりのアクセシビリティ」
  3. 絵文字あてゲーム

イベントは新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、オンラインで開催しました。

それでは早速、当日の様子をご覧いただきましょう!

LT:「アクセシビリティ対応とデザインの関係性について」

最初の登壇者は、アクセシビリティ部のMさんです。

業務でアクセシビリティチェックを行っているMさん。アクセシビリティ対応とデザイン性を共存させるためには、チェックの結果に対して、達成基準のみにとらわれるのではなく、サイトコンテンツとしてどうあるべきかを踏まえ検討する必要があるとお話しいただきました。

例えばコントラスト比について、WCAG 2.1の達成基準「1.4.3 コントラスト(最低限)」を満たすだけであれば、以下の画像のような奇抜な配色でも問題ありません。しかしデザイン的には人によっては不快感を覚える配色です。

コントラスト比の達成基準を満たした配色のサンプルのスクリーンショット

また「アクセシビリティ対応の結果、機能ごと削除する」対応を行ったケースを紹介。アクセシビリティ対応の結果サイトコンテンツに制約が出てしまうことについて、専門分野のMさんとしても望ましくないと感じているとお話しされていました。

「アクセシビリティに準拠するためサイトコンテンツを変更する」のではなく、「サイトコンテンツをよりアクセシブルにユーザーへ提供するにはどうするべきか」の観点でプロジェクト関係者が一丸となって考えていくことが大切だな、とお話を聞いて感じました。

LT:「となりのアクセシビリティ」

続いての登壇者はアクセシビリティ部のKさん。

ディレクションチームに所属するKさんからは、部署のメンバー紹介や、普段の業務内容を実例を交えて紹介いただきました。

アクセシビリティ部が主に行っている活動は、アクセシビリティチェックやガイドラインの策定、社内外に対するセミナー開催など多岐にわたります。その中でもガイドラインの策定について、ディレクターの観点からワークフローを紹介していただきました。

ここで言うガイドラインとは、Webサイト運用おいて準拠したほうがよいアクセシビリティの方針を文書化したものです。ミツエーリンクスではコンテンツやクライアントの要望、運用担当者のスキルなどにあわせ、わかりやすく、かつWCAGやJIS X 8341-3に準拠したガイドラインを作成するサービスを提供しています。

このガイドラインの制作については、単に達成基準を列挙するのではなく、クライアントと打ち合わせをした上でガイドラインの目的や準拠しやすい順に達成基準を整理していくとのこと。そして個々の達成基準の説明を掲載するなどの工夫を行うそうです。

また、ガイドライン作成後、それを浸透させるためのプランニングを提案し、クライアントと共によりよいWebサイトを作成することを目標にしているとお話しされていました。

ここで紹介したガイドライン策定のワークフローは一例ですが、普段アクセシビリティ部の方がどのようなことに配慮して仕事に取り組んでいるのか知ることができました。

絵文字あてゲーム

みなさんは支援技術で絵文字が音声読み上げされることはご存じでしょうか。

アクセシビリティの祭典最後のコーナーは「絵文字あてゲーム」でした。絵文字あてゲームは、NVDAでの絵文字の読み上げ方を早押し形式で当てるというものです。

みなさんは以下のスクリーンショットにある絵文字の中で、「ろめんでんしゃ」を表す絵文字はどれかわかりますか?

出題画面のスクリーンショット。路面電車を表す絵文字の選択肢として、a.🚈 b.🚄 c.🚋 d.🚠が挙げられている

答えは「c」です。

上記のように絵文字の読み方に関するクイズが複数出題され、視聴者と登壇者を含めた全員で手に汗握る白熱した戦いを繰り広げました。

最後にひとつ問題を出したいと思います。以下の絵文字は何と読むでしょう。

絵文字「🥺」が表示された画面のスクリーンショット

正解は「訴えるような顔」です!

当社アクセシビリティBlogでは「絵文字をスクリーンリーダーに読み上げさせてみた」という記事を過去に公開していますので、ほかのスクリーンリーダーで読み上げをさせてみたらどうなるのか、興味のある方がいらっしゃいましたらぜひご覧ください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。イベントに参加した感想としては、どのコーナーも知見を広められとても楽しかったのですが、特に最後の絵文字当てクイズについては早押しクイズだったこともあり、つい一視聴者として熱中してしまいました😓

絵文字あてクイズは手持ちのスクリーンリーダーでも開催できるので、とっさのアイスブレイクにも手軽に行えそうですね。

次回のテックラウンジは10月を予定しています。お楽しみに!