HCD-Netフォーラム2017参加レポート ~HCD実践のヒント~

UXエバンジェリスト 金山

2017年7月23日(土)、芝浦工業大学の田町キャンパスで、当社も賛助会員のHCD-Net(NPO法人 人間中心設計推進機構)の年次イベントHCD-Netフォーラム2017が開催されました。本記事では、「なりたい自分を考えるワークショップ」のファシリテーターの1人として参加したことで得られた知見や感じたことをご紹介いたします。

HCDキーマンによるトーク・セッション

ワークショップ前のインプットとして「7つのセグメント別パンフレット」(HCD/UXD活動事例やキーパーソンへのインタビュー記事)で紹介された方々の事例や考え方を聴講しました。

Web制作や事業会社の取り組みで参考になったのは、「ユーザビリティテストによりデータ(アクセスログ)では分からないユーザーの使い方を目の当たりにして、新たな方向性が見い出せた。その繰り返しによって、関係者間の共通認識が深まり、論拠のある開発ができた。」と言う点です。論拠のある開発により成功の確率も高まり、その成功体験やノウハウを社内に共有することでビジネス全体への影響・効果も大きくなりそうです。

経営者視点では、「HCDの実践により開発の効率化や顧客への付加価値向上につながる。」とのお話もあり、現場がHCDを導入・実践しやすいような仕組み・環境づくりに力を入れることで、企業文化としての浸透が加速すると感じました。

なりたい自分を考えるワークショップ

ワークショップは、2~3人で構成される4つのグループに分かれて、各自の将来像を1~3年後、5~10年後、20年後とタイムラインに沿って考えて行きました。私がファシリテーターを担当したグループは、実践経験豊富な方が多く、ご自身の経験を周りに展開して組織を変えたり、顧客へのコンサルティングや製品開発を通して社会に貢献したいと言う将来像を持たれていました。HCDキーパーソンとのディスカッションから、以下のアドバイスや気付きも出てきました。

  • 抵抗勢力に対して、共通の敵を作ることで共通の目標を持つ
  • ユーザーと会話できる共通言語が不足しているので、発明する
  • アイデアを社内ベンチャーとして起業し、最初からユーザーを取り込んで進める

最後にグループごとに将来像を発表することで、ワークショップ参加者全員が、目の前の問題・課題に向き合いつつ、あるべき姿を描き、何のために行っているか、自分はどうなりたいのかを考えることができた有意義なイベントでした。