Webユーザビリティ/UXデザイン実践編(2017年1月24日開催)
ユーザー調査を生かし情報設計するプロセスを紹介
2017年1月24日、当社セミナールームにて「Webユーザビリティ/UXデザイン実践編」セミナーを開催しました。セミナーではUXの基本を理解している方に向けて、より具体的に調査をどう情報設計につなげるのか、サイト改善案を考えるのかを解説いたしました。
架空のサイトを定量・定性調査から改善案の立案までを詳しく解説
まず始めに執行役員兼UXリサーチャーの潮田が登壇。入門編のおさらいとして、UXデザインの必要性が高まった背景には、モバイルの普及でWebとつながる時間が増加し、優れた「体験」の対価としてお金を払う時代になっていることが紹介されました。
続く第一部では、同じく潮田が講演。人間中心設計の活動ISO 9241-210のUX向上のプロセスを、Webサイトの構築に当てはめた「調査・分析」「コンセプト策定」「UI設計・デザイン」「評価・改善」というサイクルに沿ってご紹介しました。最初の「調査・分析」のフェーズでは、調査が活用されない問題を指摘し、架空のホテル検索サイトを例に定性・定量調査の代表的な調査手法の紹介と調査結果から導き出される改善案を提示。定性的な調査を行ってもUI改善にとどまることが多く、UX向上までつなげられていない現状を解説しました。同じような課題に直面されているのか、多くの方が共感している様子でした。
第二部では、インフォメーションアーキテクトの谷田が、UI改善のみではなく、UX向上までつなげるための考え方をご紹介しました。「コンセプト策定」「UI設計・デザイン」において、定性調査から見えてきた行動を鵜呑みにするのではなく、一歩踏み込んだ行動の背景にある心理と、心理に基づいたコンセプトや施策を考えるプロセスを解説しました。そして最後の「評価・改善」の段階では、一般的な指標のみをみるのではなく、ユーザーの心理から導き出される改修ポイントと紐付けられた指標を策定する必要があることを訴えました。WACAの上級ウェブ解析士の資格を持つ谷田より紹介されたアクセス解析のトレンドは勉強になったという声が、アンケートで多くあげられました。
お寄せいただいたコメント(一部)
- 定性調査が「UIデザインの枠におさまりやすい」ということは「なるほど、そうだよなあ」ととても同意します。
- UXに関する基本的な知識があっても、それをなかなか実業務に生かせていないので、事例とともにお話してくださり、わかりやすかった。
- 講師の方の説明がわかりやすかったです。ふりかえりの大切さがわかりました。
- サイト利用者の行動から心理を探るところの考え方を聞けて良かった。
- UXについて「では実際どうするか」というところがわかってよかったし、例があったので理解しやすかった。
- ユーザー心理の例と画面設計を具体的に結びつけた説明があった点です。
- 現場レベルですぐ活用できる。
- 具体的事例がでてきて非常にわかりやすかった。じゃあ自サイトでどうやっていくか...というのは難しそうだなとは思った。
- 具体的に言葉に出来ずなんとなく感じていた部分、時に行動心理的分析の大切さがわかった。
- 細かい手法がわかりやすかった。アクセスログについてもわかりやすかった。
- 例によって具体的な調査手法の使い分け方がわかった。