認知メカニズムから考えるデザイン改善の実践方法(2021年1月22日開催)
2021年1月22日、「認知メカニズムから考えるデザイン改善の実践方法」を開催しました。オンラインでの開催にもかかわらず、当日は多くのかたにご参加いただき、誠にありがとうございました。
UX視点を取り入れたデザイン改善を行っていくためには、関わるすべてのメンバーが仮説を立てながら、調査データの理解やデザイン案の検討などを行っていくことが重要です。
本セミナーでは、「人間の認知メカニズムの理解と応用」にフォーカス。その視点が本質的なUXデザインの実践やデザインの継続的改善活動に有用であることを、事例を用いながら解説しました。
潮田は、デザイン改善活動で行き詰まる代表的パターンとして、①具体的なUI改善案のみで議論してしまうこと、②視覚的要因ばかりを考えてしまうことの2つを紹介。結果として、本来の目的(UX)を見失いやすいことや、実質的にUI→UIの議論になりがちであると主張しました。そうした議論にならないために、「選択的注意」「スキーマ」という2つの認知メカニズムに言及。架空のキャンペーンサイトや当社ホームページをリニューアルした際の導入事例をあげながら、デザイン改善案の議論をどのように進めるべきかについて解説しました。
上級執行役員 UXリサーチャー 潮田からのコメント
「認知メカニズム」という、ややアカデミックな内容も取り入れたセミナーでしたので、ご興味を持っていただけるか、また、お客さまの業務にお役立ていただけるか、やや不安もありましたが、皆さまにご記入いただいたアンケート結果を拝見させていただいたところ「たしかにUI→UIで議論してしまうことが多い」「自社のデザイン改善議論でも応用できそう」「認知心理学×デザインの関係がよくわかった」などのご意見を多くいただき、内心ほっといたしました。
アンケートでは他にも「もっと認知メカニズムのことをいろいろ聞いてみたい」というご意見もございました。UXデザインを行うための根源にあるのはやはり「人間についての理解」と思いますので、今後もまた興味深くかつ有用な知見を皆さまに発信していける場を作っていければと考えております。この度はご参加いただきありがとうございました。
アンケートにお寄せいただいたコメント(一部)
- 普段触れない認知心理学がUXデザインをする上で関連があるのだということがとても興味深く、講義を聞いていて楽しかったです。
- 認知メカニズムという学術的なものを、デザインや操作ナビゲーションの改善の考え方と結び付けて解説いただいたので、実践的に有用なセミナーであると感じました。
- 今までUXとUIの関係性があいまいで、モヤモヤしていましたが、セミナーを聞いて、すっきりしました。
- 単なる見た目の改善でないという点や、一貫性のとらえ方など、普段意識しないとなかなか気づきにくい内容で、大変勉強になりました。