Webアクセシビリティ入門セミナー 2024(2024年2月20日開催)
2024年2月20日、「Webアクセシビリティ入門セミナー 2024」をオンラインで開催しました。
Webコンテンツにとって、アクセシビリティは不可欠な品質です。アクセシビリティ品質の低いコンテンツは機会損失につながってしまう恐れもあります。本セミナーでは当社エグゼクティブ・フェロー木達より、Webアクセシビリティの重要性や必要性をわかりやすくお伝えしました。
はじめに2024年4月に施行される改正障害者差別解消法について解説。合理的配慮の提供が義務化されるとし、これからWebアクセシビリティ向上に取り組む意義が一層高まると強調しました。また、多様化するデバイスとユーザーへの対応を説明し、さまざまな利用状況に対応するためにアクセシビリティが不可欠であると話しました。その後、「アクセシビリティ向上には特殊な取り組みが必要」「アクセシビリティはオプション扱いすることができる」など、Web担当者によくある誤解7つを紹介しました。
エグゼクティブ・フェロー 木達からのコメント
毎年恒例のセミナーとなっている、本セミナー。2024年版としての初回、参加いただいた皆さまに御礼申し上げます。ありがとうございました。また「基本的な内容から説明があったのが大変良かった」といったお声を頂戴し、恐縮です。ありがとうございます。
そのいっぽう「どのように取り組めば良いかよくわかりません」といったお声も頂戴しました。本セミナーの趣旨は、あくまでWebアクセシビリティに取り組む意義や重要性をご理解いただくところまで、とさせていただいております。今後、他のアクセシビリティ関連セミナーにご参加いただけますと幸いです。
以下、アンケートでお寄せいただいたご質問に回答させていただきます。
アクセシビリティの効果を上長に報告する際、その効果を定量で計るにはどのような方法、アプローチ、指標がございますか?「離脱率」「訪問者数」をみないことでしょうか?定量化はなかなか難しい場合、アクセシビリティに関してこのぐらいの関心・反応がある、といったことがわかれば良いかと思うのですが、お知らせやリリースに対するインプレッションみたいなことになりますでしょうか。
A/Bテストのようなツールをお使いであれば、アクセシビリティ改善前と改善後の2パターンでテストを行うことにより、定量的に効果を抽出することは可能かもしれません。そうしたツールがない場合、純粋にアクセシビリティ品質の向上のみによる効果を計るのは、アクセシビリティ以外のさまざまな要因が絡むため、難しいように思います。定性的には、障害者や高齢者の方を被験者としたユーザーテストを実施し、アクセシビリティ改善の前後で変化を捉える手法が考えられます。
取り組むべきと考えているが具体的な行動、作業が見えにくい。ホームページが一つの部署で作成されておらず、ページはそれぞれの部署が管轄となり独自に作成しているため、全員で取り組み始めるための説明、必要だと思ってもらう方法が必須。そしてどう共通方針を作成して主導するかに悩んでいる。
別のセミナー(ブランディング&ガバナンス強化のためのデザインマネジメント)でお話していることですが、組織一丸となって広報・PRやブランディングに取り組む必要性や重要性を、関係されている皆さまで共有いただくことがまず必要ではないかと思います。その部分の共通認識を固めたうえで、組織的かつ段階的にガバナンスやガイドラインを整備するといったプロセスを、ご検討いただけたらと思います。
最後にセミナー運営に関し、大変ありがたいご意見をいただきましたので、ご紹介します。
表示くださっていた外部サイトのURLもコメント等でタイムリーに送っていただけたらよりよかったです。
おっしゃる通りで、特に今回のようにWebページを紹介する機会が多いセミナーですと、Zoom内で私のWebブラウザでアクセスした画面をお見せするより、皆さまがお手元でじかに当該ページにアクセスできたほうがメリットがあると思います。実現を確約はいたしかねますが、まずは社内で検討させていただきます。貴重なご意見、ありがとうございました。
アンケートにお寄せいただいたコメント(一部)
- この1年ほど、貴社のウェブアクセシビリティに関するセミナーに参加してまいりましたが、今回は総まとめのような内容で振り返りの良い機会となりました。また、Web担当者によくある誤解は、自組織内でも聞かれるもので、普及していきたいと思いました。
- 必要性の説明や担当者の良くある誤解などが大変勉強になりました。アクセシビリティに協力してもらうために、さまざまな方々に説明する立場にあるためとても参考になりました。
- アクセシビリティの基本の考え方を改めて再確認できました。資料も説明もわかりやすかったのでWeb担当以外のメンバーに説明する際に役立つと思います。