QFD(Quality Function Deployment-品質機能展開)のWeb活用
代表取締役 髙橋 仁さて、今回は3回に分けた連載の最終回になります。
QFD(Quality Function Deployment-品質機能展開)とは何か?
もともとQFDは、VOC(顧客の声)等で得られた顧客からのインプットを優先付けして、それを製品やサービス、プロセス設計や仕様につなげる手法です。今までは、世界のシックスシグマ導入企業や製造業等が多く活用してきましたが、Webでの活用も十分可能であることは実証済みです。Webの活用によって、経営インパクトを図りたい顧客企業様はQFDの活用をマスターし、ツールとして常に身近に持っておくべきだと考えます。
QFDはなぜ、重要か?
例えばアンケート等により、VOCを収集できたとします。それをWebのリニューアルや運用に活かしたいと考えた場合、担当者は大きな悩みに陥る可能性があります。なぜならば、顧客要求が多種多様で何が重要な情報なのか判別がつけられない。また、Webサイト全体の中でどの部分を改革すれば、経営的効果が期待できるか判断がつけづらい。さらに、判断ができたとしても、そこにヌケとダブりがないのか苦悩する。
こうした悩みを解放し、どの部分を改革すべきかを絞込み、特定することができるのがQFDなのです。
VOCを改善活動にどのように活用するか?
右記は、QFDのサンプルです。「品質の家(House of Quality」とも呼ばれ、特殊な多次元マトリックスです。現物を見ますと一見エクセルのようなものです。Webでの活用範囲であれば、事実として技術を習得してしまえばエクセルで代用することができます。
使用方法
- 縦軸VOC(顧客の声)を列挙します。要求の多い項目に、重み付けをし、重要度を数値化します。
- 横軸Webページを構成する、全体像の機能や、要素を並べます。
- 縦軸の要求事項と、横軸の機能や要素の関係性を強さを数値化します。
例えば、9(関係性が非常に強い)・3(関係性が強い)・1(少し関係性がある)という具合に、予め決めておき、数値を入れていきます。 - QFDの計算式によって計算させると、下段に数値が導きだされます。その数値が最も高いものが、CTQ(改革すべき最重要事項)として表せます。
- CTQが特定できましたら、自社の状況で、可能なこと、不可能なことを加味し、何を改善するかを決定していきます。
百聞は一見に如かず
文章で書くと上記にようになってしまいます。一見、分かりづらいなあと思われるかもしれませんが、現物の画面を見ると、「こんなものか」とものかと思われて、使用してみると「なるほどね」と思えて、集計された結果を見たときには、「凄い!」と感銘を受けるでしょう。専門性の高いツールですが、Web改革に使用するには非常に適した、お勧めのツールです。
構築企業と一緒に使用するとさらなる効果が・・・
QFDは、ひとりで行うというよりも、我々のような専門企業と一緒に点数付けしたり、プロジェクトメンバー全員でやるとさらなる効果と新たな発見や新しいアイデアが出てくる傾向があります。
また、QFDは、単体で使用するものではなく、本来の持ち味を活かすにはVOCから実際の改善行うフェーズにおける「実験計画法」までを併用するとよりパワフルなツールとして機能するはずです。
Newsletter
メールニュースでは、本サイトの更新情報や業界動向などをお伝えしています。ぜひご購読ください。