アクセシビリティガジェット体験会「Touch the AT iOS編」(9月5日開催)
クリエイティブディレクター 澤田
こんにちは!クリエイティブディレクターの澤田です。
今回は9月5日に開催されたアクセシビリティガジェット体験会、「Touch the AT iOS編」の様子をご紹介します。
今回のイベント内容は、先日開催された「アクセシビリティの祭典 in MLC 2018」での特別コーナーにて紹介のあった、支援技術やアプリケーションなどを実際に体験してみよう!というものです。
アクセシビリティ部に所属する全盲の視覚障がい者であるTさんのもと、次の3つのアプリケーションを体験しました!
VoiceOver
VoiceOverとは、Apple社のmacOS、iOS、iPodに標準装備されているスクリーンリーダーのことです。画面内の項目の名前や説明、Webページなどを音声で聴いて情報を得ることができます。
基本的にはタップやスワイプといったジェスチャーで操作を行いますが、何本の指でタップをするか、どの方向へスワイプするのかといった違いでいくつもの操作方法があり、覚えるのが大変そう...といった印象でした。ただ、4本指でダブルタップをするとVoiceOverの操作方法を聞けるヘルプを起動できるとのことなので、これだけでも覚えておくと良さそうです!
聴くweb
聴くWebは、まるで音楽のようにWebページを聴くことができるアプリケーション(無料)です。再生・停止、早送り巻き戻しなどのインターフェースがついているイヤホンがあれば、満員電車の中でもiPhoneを取り出さずにWebページを聴くことができます。
リンクは他の部分よりも高い音声で読み上げられるので、そのタイミングでイヤホンのインターフェースを操作すれば遷移することも可能です!あらかじめ聴きたいWebページをリストに登録しておけば、自動的に巡回させることができるプレイリスト機能(有料)もあるそうです。
Seeing AI
Seeing AIは、肉眼でモノを見るかわりにiPhoneのカメラを使ってAIに見てもらうアプリケーション(無料)です。
さまざまな識別モードがあり、文字の読み上げはもちろん、バーコードから商品を判別したり、人の顔を判断したり、場所の様子を解説してくれたり、部屋の明るさまでわかってしまう優れものです!
パッケージのよく似た商品(例えば洗濯洗剤、柔軟剤の詰め替えパックなど)は手で触っても違いがわからない!なんてことや、部屋の電気をつけたのか消したのかがわからなくて電気代が心配・・・といったことがあっても、このアプリケーションを使えば解決できそうですね!
会場からは「このアプリケーションがなかったとき、クレジットカードやICカードといったカード類の判別はどうやって判別していたんですか?」という質問があがりましたが、Tさんによると以前までのカードは手触りに違いがあったり、文字の凹凸、側面のくぼみなどでなんのカードなのかがわかったそうです。
現在は表面がつるっとしていて形状が似たカードが多くあるため、Seeing AIを利用して文字を読み上げてカードの判別しているとのことでした!
こういった支援技術やアプリケーションを実際に体験してみると、視覚障がい者の方でなくてもその便利さがよくわかりました!
また、視覚障がい者の方がどうやって普段の生活をしているのかも体感することができました。
今後もガジェット体験会の機会を設け、より多くの人に支援技術の存在や実際にできることなどを知ってもらえたらなと思っています!
それでは、次回の体験レポートもお楽しみに!