Web価値測定のゆくえ
代表取締役 髙橋 仁今日は、Web関連の過去、現在のお話と、将来のゆくえについて思い切って予測してみたいと思います。
最近、Webの価値を、経営に直接影響を及ぼす「財務の視点」から評価しようという動きが出てまいりました。このような動きには大きく賛同するとともに、Webの世界も導入期から成長期を経て、いよいよ本格的な活用方法を模索する段階に突入しはじめたと心を新たにしています。
Web評価の変遷
この10年間、Webを評価する価値観はその時代の要求を踏まえ大きく変遷してきました。私達の事業領域において私なりに振り返りますと下記のようになります。
93-96年:技術要求を満たす評価
導入期においては、ネットワークおよびブラウザ等すべてにおいて、すべてが技術的に不安定な時代であり、まともに機能したり表示したりというのが市場からの要求でした。それを満たすことが評価に繋がりました。
97-00年:表現要求を満たす評価
技術革新が進みあらゆる機能、表現が可能になり、機能を駆使した新しいサービスや表現手法に関して市場が要求してきました。これらを満たすことが評価に繋がりました。
01-03年:ユーザビリティを満たす評価
ユーザビリティ、アクセシビリティ、インフォメーションアーキテクチャ等、ユーザの視点でのコンテンツ作りというものが市場からの要求でした。これらを満たすことが評価に繋がりました。
今後:経営の要求を満たす評価
そして今、実験的な投資が終了を告げるように、経営サイドからの要求を求められ始めています。投資対象である企業からゲインを要求されているのです。それも確かな根拠(数値)を元に。この段階が現在といえます。
これらの時代的要求が、最近に見る「Web価値測定」というサービスを産むきっかけとなります。
これらの一連の流れを少し遠目で見ますと、Webの評価は外へ外へと範囲を広げているように捉えられます。それはあたかも、ビッグバン以降の宇宙が拡大しつづけているが如くです。
Web価値測定のゆくえ
今後のゆくえに関して仮説を立てるとすると、下記のようになるのではないかと考えます。
Webが企業の顔として機能する時代です。今後の第一ステップは、経営が求めていることをWebで達成することです。次ステップでは、社会が企業に求めていることをWebで達成すること。これはWebの価値を高めることになります。したがって、それを機軸にした「評価測定システム」が構築されるだろうと予測しています。
すなわち、第一ステップとして、現時点の財務的直接影響度を測る測定システム(=利益換算型)がまず出てきます。次に将来的にどれぐらい価値を創造できるがという測定システムが出てくるでしょう。それらの指標にはバランススコアカード等が活用されると思われます。またその後は、持続可能性を計る測定システムが出現されるものと思われます。それらの指標は、社会的責任とアカウンタビリティを包含するGRI(Global Reporting Initiative)等が活用されるものと思われます。
Webの役割は、情報提供という領域を離れ、企業の経営的視点、さらに社会的視点からの要求を求められていくという価値の変遷が予想されます。これらはまだ始まったばかりであり、多くの試行錯誤を経て、Webは情報社会の基盤として機能する時代を迎えることとなるでしょう。
私達はこれらの将来を予測しながら、今ある課題をひとつひとつクリアしていかなければならないと考えています。
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