Web運用、突破口的改善と継続的改善
代表取締役 髙橋 仁先週、MBAの勉強をされている方と夕食をご一緒する機会がありました。彼にはマネジメントシステムの導入時にコンサルタントとしてお世話になりましたが、現在仕事を休職して学業に励んでおられます。彼から企業活動における「継続的改善」について非常に興味深いお話をうかがうことが出来ました。今日はこのことに触れてみたいと思います。
彼の話を要約しますと、「継続的改善は、大量生産方式でかつ競合が多数存在しない時代は非常に有効な手法であったが、現在のように流れが速くバイオリズムの振幅が激しい時代においてはすでに古い概念である、という考え方の人もいる」ということでした。
一理あると思いましたが、どうもしっくり来ないなあと思い、今まで実践でやってきたことを思い返してみました。確かにISOが代表されるようにPDCAでまわす継続的改善だけでは不足部分が存在するということは2年以上前に薄々気づいていました。企業組織全体を毎年10-15%程度改善するにはPDCAは実に有効ですが、突発的な問題を改善するには向いていない部分があるように思えます。その当時それを脱却する為にシックスシグマに代表するDMAICの研究をした覚えがあります。
突破口的改善と継続的改善
組織に導入される「改善」思想には、「突破口的改善」と「継続的改善」の2種類あると考えています。その土台には「維持活動」があるのは言うまでもありません。マネジメントシステムのツールを調べてみてもこれらは存在します。
- 維持(control)
- 継続的改善(continual improvement)
- 突破口的改善(breakthrough improvement)
1.はTPMで、2.はISOで、3.はシックスシグマ、それぞれにツールが用意されています。これからの経営システムはこれらをTPOによって使い分けたり、インテグレーションしながら最適化の道を探る時代かもしれません。
Web運用における改善活動
前置きが長くなりましたが、Web運用でも同じことがいえるのではないでしょうか? 維持(control)だけでは発展は考えられません。継続的改善(continual improvement)だけでは大きな効果を出すために時間を要します。突破口的改善(breakthrough improvement)は長続きしない性格があり、かつ部分最適は出来ても全体最適化には向きません。
Web運用においても、経営からのミッションで中心テーマを使い分け、TPOによって戦術の組み合わせ方に変化を持たせながら改善を繰り返す必要がありそうです。つまり、Webサイトの運用においても、維持(control)、継続的改善(continual improvement)、突破口的改善(breakthrough improvement)をうまく使い分けることによって、さらに高い経営インパクトを与えることができるのです。
関連情報
Newsletter
メールニュースでは、本サイトの更新情報や業界動向などをお伝えしています。ぜひご購読ください。