Google Analytics Summit(Google アナリティクス サミット)2013 参加報告
第八本部 アナリスト 大里 紀雄2013年のテーマは「Access. Empower. Act.」
2013年10月1日・2日の2日間、カリフォルニア州マウンテンビューで開催された「Google Analytics Summit 2013」へ参加してきました。2013年のテーマは「Access. Empower. Act.」というもので、それぞれ次の意味が込められていました。
- Access:より適切な人々が適切なデータにアクセスできるように
- Empower:分析と意思決定のためのツールと技術を提供する
- Act:解析結果を活用しデータをもとに取り組める
本コラムでは、サミットの現場で感じたGoogle アナリティクスについてと、私が注目したトピックスをご紹介します。
注目したトピックス
今回は2012年の「ユニバーサルアナリティクス」のような大きな発表はありませんでしたが、今後のWebマーケティングを考えるうえでの重要なヒントとなる発表がいくつもありました。新しい機能などについては、Google アナリティクス公式ブログで概要が紹介されていますので、ぜひそちらもご参照ください。
私が注目したトピックスは次の3点です。
「マーケティングプラットフォーム」としてのGoogle アナリティクス
これまでのGoogle アナリティクスは「アクセス解析ツール」でしたが、これからは「デジタル マーケティング プラットフォーム」となります。具体的には、アナリティクスとウェブマスターツール、Adwords、DoubleClick、BigQueryといった他のツールを密接に連携させることにより、シングルプラットフォーム上で様々な施策から分析、また次の施策といった一連の活動をシームレスに効率よく実現できるようになります。
「ブラウザ単位でページビュー」から「ユーザーの行動解析」へ
これまでのGoogle アナリティクスはセッションベース(ブラウザ単位)でのトラッキングを行っていましたが、これからはユーザー単位でのトラッキングが可能になります。その基礎となるテクノロジーが2012年に発表された「ユニバーサルアナリティクス」ですが、従来のGoogle アナリティクスでは実現できなかったオフラインデータのインポートや柔軟なカスタマイズ機能によって、より詳細にユーザー単位での解析が可能になります。さらに広告プラットフォームであるDoubleClickと連携することで、レポート画面でも年齢・性別・関心事といった「オーディエンスデータ」を利用することができるようになります。これにより、今までよりも詳細なマーケティング分析をすることが可能になります。
Google タグマネージャの「自動イベントトラッキング」
Google タグマネージャは、高機能な「ワンタグ」ソリューションです。Google アナリティクスやAdWordsリマーケティング、DoubleClick広告などとの親和性が高く、しかも無料で利用することができます。
これまではサイト上のパフォーマンスをより詳細に計測するためにはJavaScriptを用いて各ボタン・各リンクにカスタマイズを加える必要があり、その面倒な作業やカスタマイズにかかる費用がWeb担当者の悩みの種になっていました。しかし、この新機能によってJavaScriptを用いたカスタマイズが多くのケースで不要になります。これにより、イベントトラッキングを利用した詳細なデータ計測を、より簡単に行うことが可能になります。
また、タグマネージャはプレミアムのSLAにも追加されるなど、今後のタグマネジメントの際には積極的に導入を考えたいソリューションです。
Google アナリティクスの今後
少し前からGoogle アナリティクスが標榜する大きな方向性として「デジタル アナリティクス プラットフォーム」という言葉が使われています。現在はもう「ウェブ解析」「アクセス解析」という言葉は使われていません。今回のサミットではその「デジタル アナリティクス プラットフォーム」としての方向性がより具体的な形で示されたと感じました。この方向性には、次の2つのべクトルがあります。
AdWordsやDoubleClickといった広告プラットフォームとの連携(広告領域)
リマーケティングやディスプレイ広告、検索連動広告など、Webマーケティングの施策とウェブ解析を連携させることにより、これまでよりも詳細な効果分析と、分析結果を次の施策に生かすというPDCAサイクルをGoogle アナリティクスを中心に形作ることができます。これにより、サイト利用者のニーズと自社の持つコンテンツを高い精度で合致させることができますので、サイトオーナーには費用対効果の高いWebマーケティングを、サイト利用者にはより高い満足を提供することが可能になります。
Google クラウドプラットフォームとの連携(IT領域)
BigQueryへのセッションデータエクスポートと外部データのインポートを軸にビッグデータアナリシスの基盤が整います。これによりオンラインとオフラインをのデータを統合した分析など、これまではできなかったより高度な分析と、その分析に基づく精度の高いサイト改善、費用対効果の高い広告出稿が可能になります。
ミツエーリンクスもこうした大きな方向性の中で、お客様個別の課題を、お客様と二人三脚の体制を作りながら解決しています。
機能ではなく、利点を提供する
サミットでは私たちGoogle アナリティクス プレミアム認定リセラーに対する「Sell benefits, not features」というメッセージがありました。お客様へはGoogle アナリティクスの機能ではなく、それを使うことによって得られる利点を提供せよ。これは私たちが日々大切にしていることと重なります。私たちの強みは、単にGoogle アナリティクスというツール活用のサポートやサイト利用状況を可視化するだけではなく、分析の結果を受けたサイト品質の向上を具体的な形で提供できるところにあります。分析だけではなく、作るだけでもない。Webサイトを使った一連のマーケティングプロセス全体の最適化こそ、私たちがサポートする範囲なのだという思いを新たにしました。
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