ページ エクスペリエンスの更新とAMP対応
取締役(CTO) 木達 一仁ページ エクスペリエンスの更新が、ようやく目前に迫ってきました。ページ エクスペリエンスとは、Webページ上におけるユーザー体験の良し悪しを測る尺度として、Googleが使用するシグナルのこと。近く開始される更新により、以前から含まれていたモバイル フレンドリーやセーフ ブラウジングなどに加え、コア ウェブ バイタルがページ エクスペリエンスに含まれることになります。
この更新は、私が昨年11月にコラム「誰がためのコア ウェブ バイタル?」を書いた時点では、2021年5月の実施とされていました。その後、今年4月19日付けのGoogle 検索セントラル ブログの記事「ページ エクスペリエンスの更新に対応するための期間、ツール、詳細情報」において、6月中旬から8月末にかけて段階的に導入との予定が明らかになりました。
当初より若干、実施が後ろ倒しになったわけですが、Web担当者の皆様に大きな影響は無いでしょう。昨年の秋から予告されてきたことですし(Google 検索へのページ エクスペリエンスの導入時期は2020年11月10日付けの記事)、更新後はコア ウェブ バイタル、つまり表示パフォーマンスが検索順位に影響するといっても、その良し悪しで順位が大きく変わることはないからです。
とはいえ、Web担当者のためのピンポイント講座 / コア ウェブ バイタルと表示パフォーマンスで繰り返しお伝えしてきた通り、コンテンツの表示速度や応答速度の低下、表示上の不安定さはユーザー体験を毀損し、ビジネスに悪影響を及ぼしかねません。そしてWebコンテンツは運用を通じ、絶えず変化します。何かのきっかけで意図せず表示パフォーマンスが悪化してしまうことも、無いとは言い切れません。
従い、まだの皆様にはページ エクスペリエンスの更新を機に、表示パフォーマンスの継続的な把握と改善に取り組んでいただきたいと思います。既にGoogle Search Consoleをお使いであれば、同ツールのウェブに関する主な指標レポートを通じてコア ウェブ バイタルをチェックするのが、最もお手軽でしょう。
仮にそこで表示パフォーマンスの悪化が認められたとして、具体的にどう改善すれば良いかわからない……という方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽に当社までご相談ください。表示パフォーマンス改善サービスの一環として、改善を支援させていただきます。
なお当社は、2016年7月より提供してきましたAMP対応サービスのご提供を、つい先日停止しました。既に、サービス紹介ページをサイト上から削除済みです。格別に強いご要望があれば別ですが、少なくとも当社からAMPページの制作を積極的にご提案することは、今後ございません。
AMPはその名前の由来の通り、モバイル環境におけるユーザー体験をより良くすべく生まれた技術。しかし、AMPを採用せずとも良好な表示パフォーマンスを実現することは可能であり、どちらかといえばSEO≒Google対策の側面が強かったことから、AMP対応サービスを当社では表示パフォーマンス改善ではなくファインダビリティ改善の一環と位置付けていました。
しかし、今回のページ エクスペリエンスの更新に伴い、Google検索結果におけるAMPページの優遇的な取り扱いが廃止される予定です(詳細はページ エクスペリエンスの更新に対応するための期間、ツール、詳細情報を参照ください)。そうなれば、わざわざAMPを採用することの必然性は、低くなるでしょう。多くの場合、フォーマットにはHTMLを採用したうえで優れた表示パフォーマンスの実現を目指したほうが、合理的であると考えます。
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