企業価値を高める、サステナビリティコンテンツの作り方(特別寄稿)
Senior Consultant and Director of Editorial, Bowen Craggs & Co. Jason Sumner- ※ 本記事は、英国のオンラインにおける企業コミュニケーションの調査・コンサルティングサービスBowen Craggs社のシニアコンサルタント兼編集長のJason Sumner氏より原稿を提供いただき、許諾を得て翻訳・加筆を行った特別コラムになります。
昨今、企業のサステナビリティに関する考え方、活動内容への関心を持つ、ステークホルダーが増えています。Webサイトは、そうした情報をもとめる訪問者と企業との重要なコミュニケーションの場となっています。
Bowen Craggs社では、10年以上にわたり世界的な大企業のWebサイトの訪問者調査を行っており、訪問者の内訳、訪問理由、満足度、ブランドの認知度などについての調査結果を公表しています。
以下の図は、直近2年間のデータをもとに作成した「サステナビリティに関する情報を知ることを目的に、企業のWebサイトを訪問したステークホルダー層の割合」を示しています。
平均して、22%は求職者、21%は顧客、16%は従業員で、6.5%が投資家といったように、幅広い層のステークホルダーがサステナビリティに関する情報を求めてサイトを訪問していることがみてとれます。
つまり、投資家といった偏った層にだけでなく、今やすべてのステークホルダーに向けて、サステナビリティ情報の発信を行っていくことが、企業価値を高めることにつながります。
幅広いステークホルダーのアプローチに有効な3つのポイントをベストプラクティスとともに紹介します。
ポイント1:豊富なデータを提供する
アメリカの石油関連企業 Chevronのサステナビリティページ では、環境、社会、ガバナンスに関する詳細なデータを、要約、PDF、インタラクティブな図表など、さまざまなフォーマットで提供しています。さまざまな様式のデータを求めるユーザーのニーズに対応することがユーザーの満足度を高めます。
ポイント2:変化する基準や規制に準拠し、ユーザーに説明を行う
気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)など、気候変動への取り組みに関する第三者機関の基準や規制は、変更や統合が頻繁に行われています。企業のWeb担当者は、これらの変化を常に把握し、自社がどの基準に準拠しているのか、その選択理由をステークホルダーに伝えることが大切です。世界最大の半導体受託製造企業 TSMC(台湾積体電路製造股份有限公司)のFAQページ は、こうした情報共有の好事例といえるでしょう。
ポイント3:Webサイトやソーシャルメディアで、用語の明確な定義を伝える
「ESG」「CSR」「SDGs」やサステナビリティに関する専門用語が何の略語であるか誰もが知っているわけではありません。たとえその意味を知っていても、各企業や業界における正確な定義は、企業サイトの「会社情報」「採用情報」「IR情報」などのさまざまなカテゴリで明確に伝えていく必要があります。アメリカの金融機関 Goldman Sachsのコーポレートサイト は、「サステナビリティ」を企業サイト全体のテーマとしている事例です。
参考データ
Bowen Craggs社より提供いただいた、「Index Report 2021」調査結果の一部をご紹介します。
サステナビリティコンテンツの上位企業サイト
Bowen Craggs社が独自の基準で、評価・サイトのスコアリングを行った、サステナビリティコンテンツの上位企業サイトです。
- ※ Bowen Craggs社の「Index Report 2021」の 各指標「message」「serving society」「serving investors」の合計点を用いてのランキングです。
サステナビリティコンテンツ閲覧後の印象の変化
Bowen Craggs社の訪問者調査の結果、ステークホルダー層を問わず、サステナビリティコンテンツを閲覧した方のうち約55%が企業イメージが向上したと回答。閲覧前の企業イメージが「良い」と回答した方のうちの62%、「悪い」と回答した方のうち22%、「どちらでもない」と回答した方の30%の方が、サステナビリティコンテンツの閲覧後に企業イメージが改善したとの結果が得られました。
ミツエーリンクスでは、Bowen Craggs社と連携し、 グローバルWebサイト調査 を承っています。
また、貴社Webサイトの構築・運用や、サステナビリティコンテンツの制作・改善につきましても、お気軽にお問い合わせください。
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