エスビー食品様 公式サイトWeb基盤 リニューアル
- ※ 2019年9月に取得した画面データです。
地の恵みであるスパイスとハーブのパイオニアとして、多くのロングセラー商品を生み出し、業界をリードしているエスビー食品株式会社様から、WebサイトおよびWeb基盤リニューアルのご相談をいただきました。ミツエーリンクスは、ステークホルダー別の3つの公式サイト(商品情報サイト、企業情報サイト、グローバルサイト)について、ご提案・情報設計・システム構築・デザイン・制作から、システム構築・運用・保守までを担当しました。
課題と効果
リニューアル前のおもな課題
- コンテンツガバナンスの改善
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コンテンツ資産を一元的に管理しつつ、柔軟に再利用したい
- 訴求力の向上
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コンテンツを体系立てて整理して、ユーザーにわかりやすく訴求したい
- 運用負荷の軽減
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ページ追加・修正やシステム運用にかかる業務負荷を軽減したい
- セキュリティ強化と拡張性の確保
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高度化するセキュリティリスクや高負荷に強いサイトにしたい
リニューアル後の効果
お客さまの声
- お話を伺った方
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- 管理サポートグループ 広報・IR室 広報ユニット WEBシステムサポートチーム チーフ 菊地 竜太 様
- 管理サポートグループ 広報・IR室 広報ユニット WEBシステムサポートチーム 高橋 美紀子 様
- 管理サポートグループ 広報・IR室 広報ユニット WEBシステムサポートチーム 佐藤 麻理子 様
日々拡大するニーズ、Webの進化と成長に対応できる基盤を目指して
どのような経緯でリニューアルを考えられたのでしょうか?
エスビー食品は、スパイスとハーブのパイオニアとして、スパイス・ハーブの認知と普及に努めてきましたが、個々商品の魅力や料理での使い方といった情報の提案は、まだまだ十分ではないと考えています。もっと多くの人に商品を使っていただき、当社が掲げる「『地の恵み スパイス&ハーブ』の可能性を追求し、おいしく、健やかで、明るい未来をカタチにします。」というビジョンを実現していくため、スパイスやハーブの情報、料理のレシピ情報などを豊富に掲載し、「ここにくれば、きっと役立つ情報が得られる」と想起していただけるWebサイトを目指して努力してきました。
しかし、情報のWeb化を進めていく過程で、当社の各商品ブランドが持つ膨大な情報の整理と管理のバランスが保てず、管理の複雑化を招いていたのです。コンテンツへの導線が複雑化し、ユーザーは欲しい情報を探しにくい、逆に当社からは伝えたいメッセージが伝えにくい、という状況でした。
私たちは、こうした問題の改善を進める必要があると考えていました。しかし、その実現には目に見えるWebサイトだけではなく、Webサイトを持続的かつ組織的に運営できる仕組みづくりも重要であると考えました。
Webサイトの運営上、どのような問題があったのでしょうか?
2010年に実施したリニューアルからWebサーバーの刷新は行われない一方で、コンテンツ量は加速度的に増えていきました。Webページの公開の仕組みとして、全ファイルの差分を検知してから公開処理が実行される仕組みだったこともあり、コンテンツ量が増えるにつれて検知や同期に時間を要するようになり、結果としてWebサイト更新にかかる時間が長くなっていました。修正をすぐに反映できないことが、運営側のストレスになっていたのです。
また、当社が取り扱うスパイスなどの食材が、ニュースや情報番組などで取り上げられる機会も増えており、メディアに取り上げられると、Webサイトには短時間で大量のアクセスが発生します。しかし、アクセスが集中すると、パフォーマンス不足から一時的にサイトの表示が遅くなることもあり、せっかくアクセスいただいたのにタイムリーに情報提供ができないという課題がありました。
サーバー環境のメンテナンスは、外部パートナーにお願いしていましたが、セキュリティ面も含めたすべての業務をお任せできていたわけではありませんので、定期診断でサーバーOSやミドルウェアに脆弱性が発見されると、そのつど問題の有無の確認やアップデート対応を依頼していました。
また、当社のWebチームがセキュリティ対応に関与すること自体は大切ですが、セキュリティの運用管理は専門ではありません。最近の頻繁に報告されるOSやミドルウェアの脆弱性など、年々高度化するセキュリティリスクに対応することは大きな負担でした。
ほかにも、システム上の制約から、常時SSL化に完全対応できない、などの問題があり、Webサイトの改善を進めるには、こうしたインフラ側の問題解決が欠かせない状況でした。しかし、社内のリソースだけでは、新たなシステムを構築する体制・知識・技術は十分ではなく、これらの問題を一緒に解決してくれるパートナーを探すことにしました。
Webブランド指数が上昇、クラウド活用でコンテンツガバナンスと生産性の向上
リニューアルプロジェクトは、どのように進められたのでしょうか?
Webサイトのリニューアルプロジェクトを機に、社内体制の見直しにも取り組みました。これまでも全社のWeb施策を担当する組織横断的な役割はあったのですが、独立性と権限を持った組織という位置付けではありませんでした。そこで「Webシステムサポートチーム」を編成し、公式サイトの企画・運営から、各部門が計画・運用するデジタル施策に対しても適切に関与することで、全体の統制を取りながらマーケティング効果の最大化を図ることを目指しました。
実際のプロジェクト進行では、ミツエーリンクスから、フロント側のWebサイト構築と、バックエンドのシステム開発の各プロジェクトを分けて進行する提案がありました。そして、それぞれに専任のプロジェクトマネージャーが立ち、進行と管理の最適化を図っていただきました。タスク管理も「Backlog」の活用で効率化できましたし、当時のやり取りの履歴やファイルのアーカイブが今でも残されていて、非常に心強いです。
Webサイトについては、「コンテンツの整理と導線の見直し」、「マルチデバイス対応」、「レシピコンテンツ刷新によるブランド訴求力強化」、「Webアクセシビリティ向上」などを軸とした提案をいただき、制作を進めました。食品メーカーのWebサイトであるため、「清潔感と新鮮さ」を表現しつつ「柔らかさと温かさ」も織り込んだ、毎日でも訪問していただける「親しみやすい」デザインとなるよう、時間をかけてやり取りさせていただきました。
システム側については、セキュリティ対策の容易さと導入実績からCMS「WebRelease」を採用しました。私たちは当初、CMSとWebホスティング環境の刷新にフォーカスしていましたが、ミツエーリンクスと現状分析(As-Is/To-Be分析)を進める中で、異なるWebサイトで共通利用する商品やレシピなどの情報資産の取り扱いが課題となりました。商品やレシピを管理していたDBは、コーポレートサイトだけでなく、直営ECサイトなどでも共有しており、同じDBを各サイトが密に参照していたため、いずれかのサイトで新しい施策を実現しようとすると、他のサイトに影響が生じてしまうなど、サイトが成長するにつれ問題が顕在化するようになっていました。
そこで、ミツエーリンクスからの提案に基づき、従来DBで管理していたコンテンツを単にCMSに移行するのではなく、密結合になっていたDBとWebサイトを分離し、中長期的にコンテンツ資産を活用できるコンテンツのハブ化(コンテンツのマイクロサービス化)に取り組みました。具体的には、これまで蓄積してきた商品、レシピ、スパイス&ハーブ事典、FAQなどの情報資産を「Amazon Elasticsearch Service」をベースとしたAPIファーストのドキュメントDBで管理することで、コンテンツガバナンスを維持しながら、APIを通じて柔軟にコンテンツを引き出すことを可能にするというコンセプトです。さらに、異なるWebサイトやCMS、それにVUIなどの新興チャネルでも再利用や転用をより容易にすることを目指しました。
実はまだ完全には活用しきれていないのですが、将来的な拡張性や新施策の迅速なリリースといった点を重視して、CMSとコンテンツハブ(Content Hub)によるWeb基盤の刷新に取り組むことにしました。
リニューアルによって、どのような効果が得られましたか?
新しいWebサイトでは、各コンテンツの主要ターゲットを想定して構造から再整備するとともに、商品情報と会社情報を分離し、統一感は保持しつつ、サイトの目的に合わせて別のデザイン・トーン&マナーを定義しました。さらに、レスポンシブデザインなどユーザビリティの向上に注力したことで、取引先様からも「使いやすくなった」、「スマホで見やすくなった」などの声をいただきました。レシピコンテンツについても、画像の拡大や特集の整備などを実施したことにより「おいしそうでワクワクする」などの感想をいただいています。
リニューアルの効果は数字にも現れていて、Webサイト全体の訪問数およびレシピコンテンツの訪問数がそれぞれ30%アップ、企業情報への訪問数が200%アップしました。各コンテンツの整備により動線が明確になったことで、より下層へのアクセスが増加したと感じています。そして、第三者機関が実施するWebサイトのブランド調査において、リニューアル前の期間より、ユーザビリティを始めとして、総合的なスコアもアップさせることができました。こうした外部による客観的な評価でも、リニューアル効果を確認できています。
また、今回はアマゾン ウェブ サービス (AWS)のクラウド環境上で、CMSとコンテンツ資産を活用していくためのコンテンツハブからなるWeb基盤を整備しました。これによりレシピの特集ページなどは、都度ゼロからHTMLを組まずに、CMSのテンプレートを活用して追加、更新ができる環境になったのです。公開までの作業や承認のフローも整理されて、運用にかかる作業効率が向上しました。
運用効率の向上だけでなく、CMSとコンテンツのサービス化により、これまではシステム上の制約があり実現できていなかった、レシピのリッチリザルト対応もできました。Google検索で「カレー粉」などのキーワードで検索すると、通常の青色リンクの検索結果ではなく、料理画像や料理手順などがよりわかりやすく表示されます。自然検索におけるエンゲージメント向上にもつながっていると感じています。
ミツエーリンクスには、こうした環境の構築だけではなく、運用フェーズ以降のシステム管理もお任せしています。今回当社がクラウド環境でのCMS構築へと挑戦するには、いくつかの技術的・精神的な障壁を乗り越える必要がありました。その後押しをしてくれた存在が、ミツエーリンクスの「クラウドCMS on AWS - WebRelease」だったと感じています。いわゆる下回りについては、主体的に管理してもらえるおかげで、安心してコア業務に集中できるようになりました。
今回のWebリニューアルを経て、Webサイトを戦略的に、積極的に活用しようとする視点が、社内で増えました。さまざまな情報が社外に発信されていくのを見て、別の部署が「自分たちも発信したい」と積極的に声をかけてくれるようになりました。多くの部署から積極的な姿勢を引き出せたことが、大きな効果だと思います。
今後のWebサイトに関する展望を教えていただけますか?
今回のリニューアルに伴い、ある程度コンテンツをサービス化したことで、Webサイトに限らずさまざまな新興チャネルとも、APIによる連携が容易になったことで、レシピコンテンツや商品データを外部サービスと接続したり、他社とのコラボレーションなども視野に入れられるようになりました。こうした連携により、コンテンツ資産の活用を進めていく方針です。
一方で、Webサイトのデザインについては、モジュールの便利さと同時に、デザインの自由度が制限されることを知りました。当社のように、商品ごとにニュアンスや雰囲気を出したいとき、モジュールが足かせになることがあります。今後は、デザインとモジュールをうまく両立させる方法について、ミツエーリンクスと共に考えていきたいと思っています。
こうした将来やりたいことの実現に向けて、今後もミツエーリンクスからの提案やアドバイスを得ながら、進めていきたいと思います。
お客さま情報
「食卓に、自然としあわせを。」という企業理念のもと「本物のおいしさ」を追い求め続け、安全・安心かつ高品質な商品を開発・製造・販売してきました。国内トップシェアを誇る香辛料や、定番のカレーをはじめ、多種多様な商品を取り揃え、笑顔ある食卓、夢ある暮らしの中には、いつも「S&B」があることを目指しています。
- お客さま名
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エスビー食品株式会社
- URL
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https://www.sbfoods.co.jp/ (商品情報サイト)
https://www.sbfoods.co.jp/company/ (企業情報サイト)
https://www.sbfoods-worldwide.com/ (グローバルサイト)
- ※ ページ上の各種情報は2019年9月時点のものです。
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