Web運用の最適化とは?
代表取締役 髙橋 仁立春も過ぎ、暦の上では春になりました。顧客企業様におかれましても期末に向けて忙しさが増す時期かと察します。
すぐ陳腐化するWebサイトの宿命
ひとは達成不可能(困難)なことができなくても受け入れますが、達成可能(容易)なことがしっかりできないと容認しないという考えをもつ性格があるようです。例えば顧客企業様との関係で、難しいことをミスするよりも、誰でもできることをミスする方が苦情になりやすい性質があります。印刷物は輪転機にかけたあとは修整が不可能ですが、Webは常に変更可能なので、放置することは許されません。
この様にWebサイトは、常に変更・追加・削除が可能という利便性がありますが、逆にそれらの特性を活かしていないとどんどん陳腐化してしまい、かえって企業の印象を低下させてしまう、生まれながらの宿命があります。
企業は常に変化し成長しています。その変化や成長を社会の誰もが覗くことができる窓がWebサイトと言えるでしょう。企業の活動内容をWebサイトと連動させることの重要さを感じます。またWebサイトの活性化を通し顧客企業様との関係性を活性化していくということが、Webサイトにおける重要な使命の一つであると考えます。
「Web運用」のための「Web構築」に、時代は変化する
どんなに素晴らしいメッセージであろうが、毎日訪れる必要はありません。FLASHを使用しどんな斬新なトップページを作ろうが、10回も見れば慣れてしまい斬新さはなくなります。蓄積されたデータが存在していても、連続性のないデータは付加価値が低い場合が多いと言えるでしょう。このように考えますと、Webサイトを構築したからといって、見込み客が常にサイトを訪れるということはありませんし、売上に大きく貢献するということもありません。
Web構築とは、「大きく企業成長に貢献する可能性のある子供を産む」為のプロセスあるいは段階と考えるとご理解されやすいかもしれません。また、Web運用とは、「栄養を与えつづけて、学習させ、大きく育て成果を出し続ける」プロセスあるいは段階と考えるとご理解されやすいかもしれません。この一連のプロセスの中に真にビジネスインパクトを提供するWebサイトが出来上がってくると考えます。したがってWebにおける重要な事項は、Web運用の仕方であり、世の中の視点は「Web運用」のための「Web構築」に、時代は変化するものと考えます。
成熟度モデルに見る、Web運用のあるべき姿(最適化)
Web運用の重要性について触れてきました。それでは、どのような方法によってビジネスインパクトを提供する段階まで運用能力を高めるか、さらに、ビジネスインパクトを提供し続ける段階まで高めるかについて品質管理においては世界的に話題になっている成熟度モデルを使用し説明を試みます。成熟度モデルにはいくつかの方法および定義の仕方がありますが、例えばレベルを5つに分けた場合、
- レベル1「カオス(混沌)の段階」
- レベル2「反復可能な段階」
- レベル3「定義された段階」
- レベル4「コントロールされた段階」
- レベル5「最適化された段階」
となります。例えば「Web構築」した段階では、まだ、レベル1です。もし、一定の成果がその段階で出たとしても、真の成功などと言える段階ではありません。単に旧サイトとの比較によるもので、放置すれば宿命的に陳腐化します。次に必要があった場合、更新作業ができる段階がレベル2の段階です。レベル3の段階になりますと、運用方針、組織体制、責任者の権限範囲、役割分担、スケジュール、制限事項等々が完全に定義された中で運用を行っているという段階になります。その後運用を重ねながら、レベル4に近づけます。レベル4の「コントロールされた段階」とは、ログ解析等定量的データに基づいた運用プロセス管理ができ、完全にPDCAが稼動し始め、効果的に結果が伴う段階を意味します。さらにレベル5を目指します。レベル5の「最適化された段階」とは、レベル4を土台に、さらに予防処置、技術的変更管理、運用上のプロセス変更管理ができる状態であり、継続的改善を伴う段階を意味します。
このように考えると、Web運用のあるべき姿は運用組織全体が継続的改善思考をもち、それらが習慣として根付き、実行されている段階と考えられます。この段階に達すれば、Webサイトが活性化し、企業組織の変動に柔軟に対応でき、かつ顧客ニーズの変化にも対応できるため、価値の連鎖がはじまり結果的に持続的発展へと導きます。つまり、ビジネスインパクトを与えつづける段階に達するのです。
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