政治・経済・文化を一点から見ると....
代表取締役 髙橋 仁顧客企業様の生の声というものは、実にありがたいものです。問題の指摘はサービスを改善へと導き、お褒めの言葉はスタッフの意欲を倍増させてくれます。「生の声を受け入れ継続的改善を実行する」という弊社の事業スタイルは、声を大にして言い始めてすでに3年の歳月が経ちます。スタッフ全員がその意義を理解し始めていることを肌で感じ、大変頼もしく思っております。
スタッフのある発言
今回のイラク戦争において、多くの子供達や市民が犠牲になったことは大変遺憾に思います。深く哀悼の意を表します。あるスタッフがテレビを見て、「夜は爆弾が投下されているのに、昼は多くの車が市内を走っているのは不思議な光景ですね」という感想を漏らしました。私は「そうだよ」と答えながら23年前の秋を思い出していました。
1980年の秋、アルバイトで稼いだお金で、ひとり韓国へ出かけました。その年の5月、韓国では「光州事件」という大きな事件がありました。戒厳令が敷かれ、夜11以降の外出は禁止され、非常に緊迫していました。南北関係も今以上に緊張下にありました。一週間の旅行で、ソウル、仁州、プサン、広州、普州、光州、とおよそ国を一周しました。各地で知り合った人々は想像以上に優しく私をサポートして下さり、今でも感謝しています。
そのとき私は南北境界線にあたる板門店にも出かけました。今の板門店は観光の名所になっておりますが、当時は場所も北東にあったように記憶しています。細い道をバスに揺られ着いたところは自由の橋と言われる場所の近くで、小さなひっそりとした公園が一つあるだけでした。そのときこの目で見た光景は生涯忘れることができません。
それでも人は踊り、人は稲を刈る (政治・経済・文化を一点から見ると....)
その小さな公園の一点で立ち、360度見渡したときです。
北を見れば、米韓軍の軍事演習が行われヘリコプターが舞い、公園の入口でも兵士が機関銃を持ち警備をしていました。写真を取ろうとすると「No, No!!」と寄ってきました。実に緊迫した様子が伺えました。一方西を向けば小さな公園の中央で、美しいチョゴリを着たおばあちゃん達が、ラジカセの音楽に合わせ、楽しそうに民謡を踊っているではありませんか。そして東に目をやれば、なんと、農民が田んぼの稲をせっせと刈っているのです。それも何も起こっていないかのごとく。本当に驚いたのは、この3つの光景は同じ時間で、同じ場所(それぞれ30mも離れていない距離)で起こっているということです。私も、その場所の一点にいるのです。
21歳の私は、何のフィルターを通すことなくその事実のすべてを受け入れました。
「政治・経済・文化は、それぞれ、緊密に影響し合う。しかし、全く連動している訳ではなく、ひとが生きて生活を営んでいる限り、それぞれは独自に機能していることもまた事実である」と。
どんな国でも、政治的な緊張が高まろうが平和になろうが、そこの生きている人々は、昨日と同じように踊り、そして稲を刈るのです。
インターネットの魅力とリスク
多くのメディアは、どんな素晴らしい事実を伝えても、全てを伝えることが出来ません。あるときは時間の制約、スペースの制約があります。むしろ全ての情報は断片に過ぎないと捉えた時こそ、全体を捉える為の一歩を踏み出せるのではないでしょうか?
インターネットに流れる情報一つ一つは断片的ではありますが、それをつなぎあわせる全体像が物の見事に見える魅力的なツールだと思っています。反面、インターネット時代は、事実に対しては隠しようがない時代ともいえるのではないでしょうか。企業活動にとって大切なことは、隠すのではなく、情報の出し方・タイミング・それを支えるシステムが重要なテーマを言えるでしょう。
諸刃の剣といえるインターネットというツールを、豊かな社会を建設するために使用できるよう、私達は心して取り組んでいかなくてはと肝に命じています。
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