情報社会、何が変わったか?(設立14周年を思う)
代表取締役 髙橋 仁おかげさまをもちまして、今月の27日、ミツエーリンクスは14周年目を迎えます。これもひとえに顧客企業様およびパートナー様の温かいご支援、さらに、すばらしいスタッフ(OB含む)に恵まれたおかげだと深く感謝いたします。今後ともご支援ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。
当時、世に存在しないビジネスモデル(音声サービス)を初めて使ってくれた広告代理店のM氏、FAX情報サービスの時代から陰日向になってサポートしつづけてくれたリクルート社のO氏、インターネットが存在しないパソコン通信の時代に動画配信を任せたくれたセガ社のS氏、インターネットの営業に行って、逆にインターネットを教えていただいた学研のH氏、「我々は個人と付き合っているわけではない。企業対企業としての付き合いをして行きたいんだよ。企業になってくれ!」とお叱りを受け、プロセスマネジメント導入のきっかけを作ってくれたKDDIのM氏、(その他多数)・・・・それぞれの時代に、それぞれの方のお世話になり、今存在していると思うと、感謝の念に耐えません。
今回は、長くて短いミツエーリンクスの歴史を、情報社会の変遷という視点で、私がやってきた領域のなかで考えてみたいと思います。
基本は何も変わっていない
「社会は一方では急速に進化しているが、他方では何も変わることなく連鎖し循環を繰り返している。」これは、ビジネスを通して社会から教わったことであり、私の信条です。私が捉える「情報社会の変遷」はまさに、この言葉に尽きます。
1991年の春、ミツエーリンクスが行った仕事でこのようなものがありました。都知事選(選挙)に出馬する候補者が有権者に対して提供する音声サービスの支援という仕事でした。まず、選挙には、膨大なポスター、チラシが配布されます。そこにテレホンサービスの電話番号を片隅に設置します。次に、候補者は毎日遊説に都内にまわりますが、その日の演説を録音し、編集します。50回線につないだ業務用の留守番電話機に編集された音声を組み込みます。すると有権者は、毎日の演説内容を録音されたテレホンサービスを通じて聞くことができます。さらに、候補者のメッセージの後に、ナレーターの声を挿入し、有権者から候補者への応援メッセージを録音できるようにしておきます。録音された応援メッセージをまとめ、選挙対策本部に持ち込みます。当時は、システムらしいものがなく、あるものを組み合わせてやったという感じです。
FAXの家庭への普及率が2%前後の時代ですので、このようなサービスは非常に斬新といわれれば斬新だったわけです。
電話番号を、URLに直すと現在でも通用しますが、当時のツールでもパーソナルなコミュニケーションが曲りなりにできていました。コミュニケーションを通し、知識(ナレッジ)や価値の共有でさえ可能でした。即時性という意味でも可能でした。アクセスログも取れました。感覚に訴求するエモーションという意味でも工夫次第では音声は有効性がありました。ECはできなくても受発注は可能であり、流通システムの変革さえ可能でした。その後のビジネスの水平展開(FAX、パソコン通信)でも同じことをやっていたような気がします。
インターネットを特別視するのは止めよう!
実を言うと、インターネットの出現によってすべてが変わったわけではなく、その前からビジネスにおけるコミュニケーションツールの活用方法に関しては準備ができあがっていたというのが私の見解です。その準備があったからこそ、インターネットは急速に伸びることが可能だったわけです。つまりツールの置き換え作業を行えばよかった。さらに、ニーズがあっても技術的に不可能なことに関しては、潜在的なパフォーマンスが高いインターネット分野の技術革新によってそれらのニーズをひとつひとつ可能にしていったという歴史があります。インターネットの出現前に、インターネットのようなツールを待ちわびながらその時代の中で、不便ともいえるツールを駆使しながらビジネス転換していった素晴らしいビジネスマンを数多く知っています。きっとその方たちも私と同じ意見かもしれません。
この素晴らしいツールを使いこなし、経営革新ツールとして機能させよう。
インターネットは、表現系においても、ユーザーとのコミュニケーションにおいても、業務改善系でも、社内のナレッジにおいても素晴らしい可能性があります。しかしうまく活用している企業はごく一部にすぎません。何も変わることなく連鎖して循環を繰り返す人間社会や企業そのものの本質を捉え、マーケティングの方法論とインターネットの持つ技術やツールを融合させ(また組み合わせ)、顧客企業様の発展を支えられる企業として、スタッフ一同邁進していく覚悟です。
今後ともご指導、ご鞭撻の程、よろしくお願いいたします。
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