Webサイト構築、孫子の兵法から試みる戦略的アプローチ(企業経営層向け)
代表取締役 髙橋 仁「自分を知る」という本当の意味は、「知っている」自分を知るということと、「知らない」自分を知ることだと言われます。なかなか含蓄があり、奥深い言葉だと感心します。
人間社会、言いたいことだけを言って相手が理解してくれるのであれば、これ程楽なことはありません。相手の知りたいことを如何に捉えるかということに努力をしないで、コミュニケーションは成立しないのが世の常です。
2500年前の言葉ではありますが、「敵を知り己を知らば百戦危うからず 」といった孫子の兵法は、人間社会におけるコミュニケーションにも通用ように思えます。
今日は、企業が実行する戦略的Web構築において、どのようなサイトの「型(陣形)」を築くかについて、企業経営層向きに考えて見たいと思います。
孫子曰、凡治衆如治寡、分数是也
企業戦略を考える場合、孫子の特殊兵法論は役に立つと言われますが、実は私も大好きです。解釈の仕方は時代背景によって変わるのは当然のことですが、積極的な企業活動を実行する場合、こんなに役に立つものがあるのかといつも感心しています。その中で、「孫子曰、凡治衆如治寡、分数是也(孫子曰く、凡そ、衆を治むること寡を治むるが如くなるは、分数、是なり)」を紹介します。軍隊の運用に関しての一節ですが、現代の企業組織編成において極めて重要な示唆をしています。現代風に言えばすなわち、「企業において、多数の統率も少数の統率も同じである。要は、『分数(組織・編成)』の問題である」。さらに、この次の節には、そのニとして、『型名(通信・連絡)』を挙げています。
企業経営に携わる方であれば、この大きな洞察力と永遠の新鮮さに、実に納得してしまうことでしょう。
Webサイトを自社の軍隊と捉えると、容易に戦略が見えてくる
イラク戦争で、アメリカ軍の前線部隊があまりにも進撃が早く、補給路が確保できない事態が発生したことは、記憶に新しいかと思います。企業も同じであり、例えば、貴社が販社の会社であったとします。しかし決して営業マンだけいるわけではありません。企業が永続的に活動するためには、部(営業、管理、経理、人事、庶務・・・・)また、階級(取締役、部長、課長、係長・・・・)という風に編成を組みます。さらに、縦の横の情報のやりとりには一定のルールをつくります。経営層は、実に、この「組織の編成」と「情報・連絡システム」を最大のテーマとして常に悩んでいるのが現実です。なぜならば、企業の発展は、この2つのテーマをクリアしないことにはありえないからです。
この上で、企業戦略が、拡張均衡なのか縮小均衡なのか?攻めなのか守りなのかで組織編成と情報連絡システムは微妙に変化してきます。さらに、これらの編成等は、各企業の現状や経営者の考え方で千差万別です。
企業経営層が戦略的Webサイトを構築したいと考える場合、同じように考えれば、大方針は比較的容易になります。
編成=情報の組織化、情報・連絡システム=ナビゲーション・ラベリング
攻めには攻めにあった「編成」があり、 守りには守りに適した「編成」があります。その編成を統率し、陣形を維持するのに欠かせないのが密な「連絡」、指揮命令系統です。サイトの構築にも同じことがあてはまり、 企業の戦略に沿った「型・編成」(すなわち情報の組織化)が存在し、 その「型・編成」を機能させるために「情報のラベリングやナビゲーション (連絡の手段)」が存在します。これが適切なものでないと、企業のメッセージを 正確にユーザへ伝えることができないというわけです。つまり、Webサイト(自社の軍隊)は、機能してくれません。
如何でしょうか?Webサイトをページの集合体とか、パンフレットや本と同じように考えるとアイデアが創出できなくても、自社の「軍隊」と捉えると、自社に合ったアイデアが湧き出るのではないでしょうか?
このように戦略に基づいたサイトの構築が終了すると、実践が始まります。闘いです。それはWeb運用を意味します。
来週は、Web運用の効果を導きだす為にどのような考え方が大切か、その重要なキーワード、「クローズド・ループ・システム」の活用について触れて見たいと思います。
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