個人情報保護規格 TRUSTe(特別寄稿)
インターメント株式会社 代表取締役 黒崎 武昭変化し始めたプライバシー意識
プライバシー問題について意識している | はい・・・90% |
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個人情報が悪用される事に危機を感じている | はい・・・75% |
企業が個人情報を適切に管理してないと思う | はい・・・70% |
個人情報の悪用が不安で、登録・購入を避ける | はい・・・50% |
これは、2000年度にコロンビア大学で調査された日本人の消費者意識調査です。
IT技術の普及以前はプライバシー意識は各国の文化に大きく根ざし、アジア圏とヨーロッパ圏では大きく異なっていました。特に日本では「向こう三軒、両隣」的思想が主流であり、80年代までは大きくプライバシー問題が取り上げられる事はなかったでしょう。
しかしここ数年で、ネットワークを通じて誰もが簡単にデータ化された個人情報を公開・アクセスできる時代に変わってきました。
また住民基本台帳法と引き換えに、国は2年間の猶予期間をもって個人情報保護法を施行します。
日本におけるプライバシー意識は、大きく変わりつつあるのです。
立法化された個人情報保護
クライアントのみなさまから、「うちのセキュリティは万全だから個人情報保護法対策は大丈夫」とお聞きします。しかしネットニュースなどで報道される、ハッキングや脆弱性による漏えいは、全体の数パーセントにすぎません。80%以上が内部からの持ち出しや人為的ミスといった、社内教育や取扱い業務規定の不整備に起因している事件なのです。
欧米では、企業が公表されたプライバシーステートメント(個人情報保護方針)と実際の営業活動との内容相違により、米連邦取引委員会(FTC)や消費者からの告発で、多額の賠償請求・大幅な企業イメージダウン・株価暴落などの現象が見られます。日本国内においても、法律施行後は個人情報取り扱いに関するリスクマネジメントやアカウンタビリティ(説明責任)が求められてきます。
詳細は政府による基本ガイドライン策定後となりますが、個人情報保護法下において個人情報の取扱い事業者とは、五千人程度以上の個人情報を取扱う事業者が適用範囲(一部例外あり)であり、下記に違反すると「勧告や罰則の対象」となります。
- 利用目的による制限及び適正な取得を行うこと
- 適正な管理の実現を行うこと
- 第三者提供の制限すること
- 明確に使用目的を開示すること
- 情報の訂正や停止を速やかに行うこと
- 速やかに苦情対応を行うこと
- 代理で苦情処理等が行える団体を認定すること
企業が営業活動を行う為には個人情報保護に関する充分な理解と対策が早急に必要です。その仕組み作りのひとつとして挙げられるのが、「TRUSTe」と呼ばれるプライバシー保護規格の導入です。
TRUSTeとは
「TRUSTe」とは、インターネット利用者と事業者との間に信頼関係を築き、インターネット産業界の成長を組織目的として掲げる、独立した国際的な非営利組織です。消費者と企業そしてウェブサイトの個人情報保護に対する懸念事項の解決に的を絞った、「TRUSTeライセンシープログラム」を提供しており、企業はその認証をうけることで、ユーザーが安心して個人情報を提供できる体制が整っていることをアピールできます。
認証を得るには、認証審査に必要な書類・自己査定書・プライバシーステートメント等を提出し、ウェブサイト及び社内体制がTRUSTe要求項目をクリアする事が必要となります。
ライセンス取得後は、監査プログラム(TRUSTe Watch Dogシステム)による第三者チェック及び、紛争解決プロセスにより、企業・ユーザー双方が恩恵を受けられます。またプログラムは、個人情報保護法への対応、個別電子メールへの発行システム、携帯コンテンツへの対応など、ネット環境に合わせて、絶えず進化しているため、企業は常に新しい環境への対応が可能となります。
1997年の設立以来、北米・ヨーロッパ・アジアなどの地域を中心に世界26ヶ国、約2500以上のサイトが「TRUSTe」による認証を受けています。
個人情報保護をビジネスに活用する
インターメントは「eMonitor Web Usability System」や「FUSEN Web Marketing System」(共にビジネス特許申請)といった、ウェブサイト利用時におけるユーザの行動や心理状況をリモートで情報取得するASP型のリサーチサービスを行っています。
その一方で、プライバシー保護規格「TRUSTe」の導入コンサルティングやプライバシー教育・CPO(チーフ・プライバシー・オフィサー)の育成を行っています。
相反するビジネスモデルですが、コンバージョンレートを高めていく為には、ウェブサイトの内容や使いやすさを向上させると共に、個人情報保護を徹底し少しでもユーザーのみなさまに信頼や安心感を提供する事が必要なため、クライアントさまのお手伝いをさせて頂いております。
インターメント株式会社:http://www.inter-ment.co.jp/
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