企業文化の公開は、顧客創造の一歩
代表取締役 髙橋 仁昨年、ドイツを一周する機会がありました。当初は、ドイツという国を論理的で硬く無機質な国とイメージしていましたが、実際訪れてみますと、例えば街の風景は、古い建物と新しい建物が見事に調和しており、たいへん美しい国であることが理解できました。また列車でも、乗りあわせた乗客同士気軽に声を掛け合い、随分気さくな国民であることも理解できました。市外の散歩の途中、雨模様になって急いでホテルに戻ると、部屋の入り口には傘が用意されており、随分細かい配慮をされていることに驚きました。そして帰国の時には、ドイツのファンになっていました。
そういえばわたしは、ドイツ映画を見た経験がほとんどありません。映画はその土地の文化を理解する良いきっかけとなります。ドイツを訪れる前後ではそのイメージがまるで変わってしまったわけですが、そのギャップの原因は「ドイツの文化に触れる機会の有無」にあったと言えます。
企業文化の公開は、顧客創造の一歩
21世紀という時代は、良い商品だから売れるという理屈を通すことが出来ない時代ではないかと思います。また、いかにすばらしいテクノロジーをもっていても、情報社会においてはすぐにコア技術が伝播してしまい、あっという間に類似商品が出てしまいます。つまり、差別化が難しい時代ともいえます。
このような時代にあって、企業文化のWeb上での公開は、既存顧客との関連性を深め、新たなる顧客を創造する第一歩ではないかと思います。例えば、企業トップの考え方、将来像は勿論のこと、組織員の活動内容、進捗、結果等の情報なら、情報を受け取る側にとって、その企業の過去・現在のみならず、将来を読み取ることが可能になるでしょう。財務的視点だけでなく、ステークホルダー(例えば顧客)への姿勢、スタンスあるいは具体的な行動開示からは、安心感を得られるでしょう。社内プロセスの改善等の情報からは、商品やサービスの品質を読み取ることが可能になるでしょう。社内教育、ナレッジシステムの情報からは、その企業の人材の質や将来の発展性を読み取ることができるでしょう。
このように、企業文化の公開は、顧客の創造に向けた第一歩となり得ます。売る仕組み、目立つ仕組みは当然必要ですが、Webサイトの活用を、短期的な戦略と捉えるだけでなく、中期・長期戦略の中に組み込み、市場へ浸透していくことも大切な活動なのではないでしょうか。
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