Web構築、情報のセグメンテーションとラベリング
ディレクショングループ 取締役 プロデューサー 岡田 貴彦前回のコラムでは、情報の質という視点から、「データとコンテンツそしてメッセージ」という三つのセグメンテーションの考え方について、説明させていただきました。前回の内容が、サイト構築作業におけるレイヤー構造化の概念的なお話だとするならば、今回は実際の構築段階におけるラベリングの部分についてのお話となります。
Webサイト構成要素の定義化
前回も述べたとおり、Webサイトの構築とは、ターゲット→目的をつなぐための情報要素と機能のプライオリティ付けであると考えます。
そのためには、ターゲットの明確化・細分化と、提供する情報・機能の定義化が不可欠であることは言うまでもありません。
Webサイトにおける情報のカテゴライズとは
上記の構造化に加えて、Webサイトにおける情報のカテゴライズには様々なパターンが存在します。例えば、
企業活動における大まかなターゲット
- PR
- IR
- 求人
- 製品/サービス情報(見込顧客)
- サポート(既存顧客)
情報提供側の視点による情報フラグ
- 企業組織による分類
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○○事業部/××事業部
- 製品カテゴリによる分類
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○○製品/××製品
(情報提供側の考える)ユーザー側の視点 - ユーザー層ごとの分類
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個人のお客様/法人のお客様
- ユーザーのニーズ別の分類
-
○○を見つけたい/○○したい
このカテゴライズは、情報ごとのフラグの何をキーにするかという話ですが、もちろんユーザー視点でのキーによって、カテゴライズがされていている事が必須となります。
水平方向と垂直方向の両方から、適切なフラグを拾い出し、マトリクス化していく作業がラベリングの作業だと言えるでしょう。
Webサイトにおける階層にはこだわらない
よくWebサイトの構造において、階層という言葉を使います。
「第ニ階層にはカテゴリのインデックスが来て云々」「ユーザのクリック数を抑えるために階層は第三階層までに留める」などなど。
しかし、階層が指し示す意味は、あくまでもディレクトリ上の階層の意味でしかなく、実際にユーザの目から見た構造とは違うことの方が多いかもしれません。なぜなら、HTMLの最大の特徴はハイパーリンクという移動方法であり、第一階層から第ニ階層にリンクを張ろうが、第一階層から第三階層にリンクを張ろうが、ユーザーにとっては同じクリック数でしかないからです。もちろん階層ごとでの情報の量や質といったマナーの統一性は求められるでしょう。
「辞書としての検索エンジン」に対応するために
現在、弊社が推進している、サーチエンジン対応ソリューション(参照:弊社代表コラム/Webサイト構築、マトリックス型Webアーキテクチャのすすめ)においても、構造化は重要なポイントとなっています。過去コンテンツのアーカイブ化や、資料的なコンテンツの拡充など、より視野を広げたマトリクスが求められています。
情報構造化とプロジェクト
このように情報の構造化が高度になればなるほど、その一方で、各情報の提供者が誰なのか、とりまとめは誰なのかなど、Web構築の準備段階・運用段階における体制やプロジェクト管理も膨大なものにならざるを得ません。そういった意味では、情報の構造化は組織の構造化をも要求する作業と言えるのかもしれません。
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