年末のご挨拶
取締役 木達 一仁月日の経つのは早いもので、今年も年末のご挨拶をさせていただく時期を迎えました。ちょうど一年前にもコラムを書かせていただいたのですが、まるで昨日のことのように感じられます。社員一同を代表しまして、顧客の皆さまに心より御礼申し上げます。年間を通じてのご愛顧、誠にありがとうございました。
昨年9月のリーマン・ショックに端を発する経済不安定は、ありとあらゆる企業の経営に負の影響を及ぼしてきました。当社においても例外ではなく、ときには厳しい判断を下さざるを得ない場面もありました。しかしこうして無事に年越しを迎えることができましたのは、顧客の皆さまより格別のお引き立てを賜ったことに加え、代表の高橋を中心に、全社一丸となってこの難局を突破すべく努力してきた成果と信じます。
残念ながら、景気の低迷はいまだ続いているようです。景気が底を打ったかのように映ったのは、単に各種の短期的施策が功を奏した結果に過ぎず、中〜長期的にはなお不安定な状態が続くとの予測もあります。従い、決して現状に気を緩めることなく、業務のさらなる効率化や品質の一層の向上に取り組み、皆さまからのご期待に沿えるよう、最大限の努力をしていく考えです。
こと私の所属するR&D本部におきましては、一年前に検品を主業務とする品質管理チームを設置。既存のWeb標準チーム、アクセシビリティチームと徐々に連携を深めながら、これら3チームの共同を通じて、社内の各種改善に取り組んできました。
部門名に冠した「R&D」という言葉から、何か先鋭的な取り組みにばかり注力しているかのイメージを持たれている方がいらっしゃるかもしれません。しかしこの一年は特に、先端的な活動なり新サービスの開発よりはむしろ基本的な部分の改善に軸足を移し、それに粛々と取り組んできました。
まだ道半ばではありますが、たとえば社内のワークフローや制作したWebコンテンツのアクセシビリティについて、改善のための活動を地味に、しかし確実に進めています。無論アクセシビリティについては、予定されているJIS X 8341-3の改正を睨んでという側面もあります。
そうした類の活動は、景気が低迷しているような時期にこそ、取り組む価値があると思います。人間の身体能力で考えてみますと、基礎体力をつけておかずして、いざというときに本領を発揮することはできません。業務を遂行する能力もそれと同様で、基本的な部分を適宜見直し、補えるうちに足りないところを補っておきませんと、いざ景気が本格的に回復したときに立ち行かなくなる懸念があります。
来る2010年に向けましては、これまでの取り組みは継続しつつも、いよいよ「One Web」実現のための具体的な取り組みを本格化させたいと思います(コラム「One WebへのアプローチとR&D本部のミッション」参照)。ケータイの進化やスマートフォンの普及状況を鑑みますと、同じURLにあるWebコンテンツを、表示こそ違えどデスクトップPCからもモバイル機器からも(究極的にはどんなハードウェアからでも)利用しやすくするという要件は、遠からず全てのサイトに求められるようになると思います。
それはチャレンジングな取り組みかもしれませんが、これに取り組まずして、真の意味でのWebデザインはなし得ないでしょう。特定の閲覧環境に対して過度の最適化を図るのでなしに、より多様な閲覧環境からのアクセスを前提としたデザインを実現する − そのために必要な準備をWeb標準、アクセシビリティ、品質管理の各側面から推し進めることが、2010年のR&D本部における最優先課題になるものと考えています。
来年も、より一層のご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
なお、年末の営業は本日28日まで、年始の営業は1月4日からとさせていただきます。
良い新年をお迎えください。
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